ヒラコーーバナー


シナリオ名:開けしコウサイは

人数:3~4人
推奨技能:<目星><芸術:絵画><隠す>
準推奨技能:<心理学><交渉系技能><精神分析><コンピューター><その他の言語>
戦闘:有
形式:シティ/特殊
時間:ボイセで12時間~15時間
難易度:★★★☆☆
注意:全員持ち物の中に『スマートフォン』を入れる事

資料:NPC立ち絵など
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【始めに】
これはクトゥルフ神話TRPG向けのシナリオとなっている。
戦闘があるため<回避>などの技能はしっかり振っておくとまず安心できることだろう。また、このシナリオでは戦闘のモードをハードに設定しており途中真っ向から掛かっていけば先ず勝てない敵が出てくるため探索者たちは技能と知恵を使ってその状況を打破して欲しい。その為にKPもPLの話をよく聞き、多少の無理を呑む事も大切だ。例えば建物の天井にガラス張りの部分があり、その下に敵がいるのならそのガラスを飛び道具で割って下の敵にダメージを与えるなどである。PLやPCの様々な発想で戦う事を想定しこのシナリオは書かれている。
KP、PL共に楽しい時間になることを祈ります。

【あらすじ-KP向け情報】
これは璃野和彩夢と言う少女が事故に遭い、生きながらにして身を焼くその炎の中でクトゥグアとの接触をした所から始まる。クトゥグアに与えられた試練を乗り越えて意識不明の状態から奇跡的に目を覚ますも重度の火傷によって彼女は死ぬよりも辛い地獄の日々を送る事となった。
事故の日に見た神、クトゥグアの事すらも忘れてしまいそうな程に弱りきったある日、母親が所有する美術館の図書室にて彼女はネスター書簡の複製本である『昇る光』を見付けたのだ。そしてその本を解読し、自分が焼かれながらに見た太陽のように輝く神の事を思い出し、同時に神の存在を理解した。そして彼女はクトゥグアに対し信仰心を持ったのだ。そんな彼女に出来る事はクトゥグアの絵を描き信仰する事であり、早速絵の作成に取り掛かり始めた。火傷により身体は上手く動かなかったが神を描く事、そして自分の好きな絵を描ける気力が湧いたのがとても嬉しかった。やはり、神は自分を助けてくれると信じて疑わなかった。
そして一人の青年、宮川晶は自分の絵に伸び悩んでいた。彼は絵が描けない事に焦りを感じ、様々なものに手を出していた。それは都市伝説の異世界にいく方法などと言うオカルト的なものばかりあった。インターネットで見つけた方法を試していく内に彼はとある通販サイトにて『呪われし者たちより』をPDF化した魔道書の画像を見付け購入した。そしてその中に書かれていた《待てる暗黒との会話/シアエガとの接触》を試したのだ。黒く塗りつぶされた部屋にて彼はシアエガと会話し、そして自分が今対話する神の落し子である事を知った。宮川は自分が神から生まれた事に驚くと同時にひどく高揚し、封印されたシアエガを復活させる事を約束した。そして彼はシアエガについて調べ、復活への準備を開始する。それは決して簡単なものではなかったが、着実に計画を進めていった。
クトゥグアの信仰者とシアエガの狂信者がQRコードを読み込み「あたり」を見つけた人のみが招待される特別展示会にて偶然か必然かはわからないが出会ったのだ。
しかしこのシナリオで神を崇拝しているのは璃野和彩夢と宮川晶だけではない。葉芽都仁巳、彼女もまた自分の愛する神オスイェグの復活を望んでいた。そしてある日葉芽都は、宮川に一目惚れし、彼のストーカーとなった。宮川を隠しカメラや盗聴器で監視している内に彼がオスイェグによく似たシアエガの狂信者であり、落とし子である事を知る。彼女は強い運命を感じると同時にオスイェグから「シアエガの解放と共にオスイェグも復活する」という(妄想かもしれないが)啓示を受けたのだ。そして彼が『太陽の神を退ける方法』を探し始めたのを確認し、自身が率いる教団『破滅を歩むもの』を動かして影から宮川晶のサポートを行っていった。

【プレイヤー向け情報】
時は現代・日本、探索者たちの住んでいる(または滞在している)秋の東京・台東区が舞台となる。
探索者の日常には確実に違和感が入り込んできており、導入ではその違和感を突き止めて欲しい。そのため好奇心の強い人物や絵画、オカルトに興味のある探索者だとやりやすいかも知れない。中には町の違和感に関する事が仕事として入る探索者も出てくる事だろう。とても些細な違和感は怪異と繋がっていく。
「違和感」と「QRコード」と「あたり」の文字が探索者たちを導いていく事だろう。

【NPC紹介】
●NPC1
璃野和 彩夢-るりのわ さいむ 年齢:17歳
職業:芸術家(信者) 性別:女
◎全身火傷の芸術家「R」でありクトゥグアの信者
STR:12  DEX:7  INT:13 アイデア:65
CON:5  APP:1  POW:11 幸 運:55
SIZ:12  SAN:7  EDU:17 知 識:85
H P:9  M P:11  ダメージボーナス:±0
武器:なし
技能:鍵開け:6% 隠す:40% 聞き耳:70% 忍び歩き:15% 精神分析:32% 追跡:15% 目星:30% 製作(QRコード):45% 操縦(全部):50%/操縦(自家用ヘリ):74% 言いくるめ:65% 説得:16% その他の言語(ヘブライ語):6% クトゥルフ神話技能:8% 芸術(幾何学模様):75% 心理学:80% 生物学:55% 薬学:11% 歴史:40% 芸術(絵画):60%
特徴表:飛ばし屋/不思議ちゃん

半年前に自分が操縦するヘリコプターが墜落し、機体が炎上。その炎に生きながら焼かれて死を待つのみだった時クトゥグアが現れ、彼女は与えられた試練を乗り越えて奇跡的に一命をとりとめた。
元から人を驚かしたりするのが好きだったためQRコードを町中に貼ったり、絵の中にものを隠したりといたずらまがいな作品作りを得意としている。彼女の命は本当に短いものかもしれないが今回探索者と行動する事によって彼女は生きる意志を確りと持ち、好きな事を続けていく事だろう。クトゥグアは信仰しているのみで神をこの地に呼び出そうなどとは考えていない。とても学がない。
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●NPC2
宮川 晶-みやかわ あきら 年齢:22歳
職業:美術大学生(狂信者) 性別:男
◎片目に魅せられた美大生でありシアエガの落し子
STR:11  DEX:10  INT:13 アイデア:65
CON:9  APP:13  POW:9(-?) 幸 運:45
SIZ:13  SAN:0  EDU:15 知 識:75
H P:11  M P:9(-?)  ダメージボーナス:±0
武器:なし
技能:目星:55% 絵画:65% 心理学:65% コンピューター:60% その他の言語(ドイツ語):40% クトゥルフ神話技能:15%
特徴表:暗黒の祖先(77)/動物に嫌われる

自分の描く絵に伸び悩み刺激になるものを求めている内に異世界に行く方法などを試し始めた一見ただの青年。しかしその正体はシアエガの落し子(正確にはシアエガの落し子であった人物の子孫)であった。それを知った理由は購入した魔道書『呪われし者たちより』に載っていたシアエガとの接触を行ったためである。シアエガとの接触にはたくさんの代償を必要とし、行っていく内に正気度がなくなってしまう。
探索者たちと最初に出会ったときはまだ辛うじて正気度が残っていたが、その後に行った接触の儀式にて正気度が全てなくなってしまう。狂人となった彼は邪神・シアエガを復活させるためなら手段を選ばなくなってしまった。
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●NPC3
璃野和 味花-るりのわ あじか 年齢:48歳
職業:美術館館長 性別:女
◎娘を賢明に介護する少し過保護になり過ぎた母
STR:8  DEX:10  INT:18 アイデア:90
CON:11  APP:12  POW:8 幸 運:40
SIZ:13  SAN:40  EDU:18 知 識:90
H P:12  M P:8  ダメージボーナス:±0
武器:なし
技能:医学:20% 応急手当:65% 経理:70% 英語:60%

10年前に夫とは離婚しており、娘を女手一つで育ててきた。少し過保護な面があり娘の無茶な願いも聞いている。22日の夜に典良らに襲われ《精神転移》の呪文によって精神を入れ替えられ、肉体を乗っ取られてしまう。その際に『昇る光』などの事を聞かれてはいるが、娘を守るため口を割る事はなかった。
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●NPC4-お助けNPC
新宮 若木-にいみや わかぎ 年齢:32歳
職業:遺品整理士/探偵 性別:男
◎おせっかい焼きサイキッカー(PSI・ソートグラフィ/サイコメトリー)
STR:9  DEX:13  INT:14 アイデア:70
CON:16  APP:9  POW:14 幸 運:70
SIZ:17  SAN:70  EDU:17 知 識:85
H P:17  M P:14  ダメージボーナス:+1d4
武器:回避:75% 杖:75% こぶし75%
技能:目星:60% 聞き耳:70% 図書館:60% 写真術:75% 隠す:80% クトゥルフ神話技能:2%
特徴表:サイコメトリー

遺品整理士であり、その遺品から渡すべき人をサイコメトリーで探す探偵でもある。サイコメトリーで見えた映像を切り取って念写する事も出来るため探索者たちの心強いサポートキャラとなる事だろう。余程の事がない限り、探索者たちと敵対する事はない。
最初は彩夢の絵を不気味に感じていたが探索者と行動して行くうちに彼女の才能に惚れ込んでいく事となる。かなりのお人好しで、それはシナリオ最後に身寄りのない彩夢を引き取ってしまう程だ。
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●NPC5
葉芽都 仁巳-はがと ひとみ 年齢:29歳
職業:ストーカー/狂信者 性別:女
◎オスイェグの復活を望む狂信者であり宮川晶の様子を伺っているストーカー
STR:10  DEX:15  INT:18 アイデア:90
CON:8  APP:19  POW:20 幸 運:99
SIZ:11  SAN:0  EDU:15 知 識:75
H P:10  M P:20  ダメージボーナス:±0
呪文:《支配》《手足の萎縮》《ハスターの歌》《オスイェグの加護》※ などKPの好きな呪文
武器:なし
技能:心理学:99% 芸術(誑かす):99% 芸術(甘える):99% 芸術(洗脳):99% 芸術(演技):99% クトゥルフ神話技能:50%
※オリジナル呪文:唱える事によって自分の周囲に小規模な地震を起こす事が出来る。地割れなどを起こす事は出来ないが交通機関を麻痺させるには十分の震度である。
特徴表:オシャレ

オスイェグを崇拝する教団『破滅を歩むものたち』のボス、見た目がとても若く20代前半にみえる。乙女チックな節があり夢見がちで惚れっぽく、誑かした男性を手のひらで躍らせるのが大好きな性格。彼女にとっての全ては宮川晶であり、兵士たちは捨て駒程度にしか考えていない。宮川と共に崇拝する邪神の双眼を開かせる事が二人の愛を世界へと知らしめる事だと信じて疑わない。
典良と咬間瀬の二人も洗脳しているが咬間瀬が自分の洗脳が行き届かないレベルの馬鹿だとは気が付かなかった。
着用している黒い星柄のパーカーはアーティファクトである。
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●NPC6
典良 誓信-のりよし ちかのぶ 年齢:25歳
職業:狂信者/兵士 性別:男
◎ボスの命令は絶対自分の身体を大切に出来ない系兵士、コードネーム:精神転移
STR:7  DEX:9  INT:14 アイデア:70
CON:15  APP:16  POW:13 幸 運:65
SIZ:12  SAN:0  EDU:17 知 識:85
H P:14  M P:13  ダメージボーナス:±0
呪文:《精神転移》《うじ虫》《被害をそらす》
武器:なし
技能:目星:70% 聞き耳:70% 図書館:70% 隠す:80% コンピューター:70% 機械修理:70% 電気修理:70% 電子工学:70% 芸術(現実逃避):99%

幼い頃から『破滅を歩むものたち』にて訓練を受けてきていた兵士。戦闘よりは機械を扱う事を得意としており、葉芽都の命令で宮川の家や隠れ家に隠しカメラを仕掛けたのも彼である。洗脳され忠誠を誓っているため璃野和の肉体を乗っ取り、自分の身体に蛆をわかせ証拠隠滅をはかり、任務に失敗した事を悟れば自害してしまう。全て葉芽都にそうするように命令されていたからだ。舌にピアスをしておりそのピアスの記憶を新宮にサイコメトリーで読まれる事となった。ちなみに《精神転移》にて璃野和の肉体を乗っ取ったはいいものの、肉体の相性が悪かったのか馴染むのが非常に遅く、彼女の記憶を完全にものにする事ができなかった。
人を馬鹿にした態度を取る天才で咬間瀬とは幼い頃から犬猿の仲である。
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●NPC7
咬間瀬 犬太郎-かませ けんたろう 年齢:25歳
職業:狂信者/兵士 性別:男
◎ボスを心から慕う?コードネーム:噛ませ犬
STR:15  DEX:18  INT:7 アイデア:35
CON:12  APP:9  POW:13 幸 運:65
SIZ:13  SAN:0  EDU:13 知 識:65
H P:13  M P:13  ダメージボーナス:+1d4
武器:回避:75% こぶし:75% 拳銃:80% ナイフ:80% 杖:65% 投擲:99% 武道(立ち技系):75%
技能:芸術(威嚇):40%

幼い頃から典良と共に『破滅を歩むものたち』にて訓練を受けてきた兵士。戦闘を得意とするがそれ以外は何も出来ない。典良とは犬猿の仲であるが一方的に突っかかっては軽くあしらわれていると言った関係であり典良の話を持ちかけられると露骨に嫌そうな顔をするが本人の事は嫌いではない。
頭がとても悪いため葉芽都の巧みな洗脳の効きが甘かったのと、戦友である典良の扱いを知って葉芽都に対して疑念を抱いている。そのため探索者の行動次第では味方になりうる存在である。二面性があり任務時と普段とでは性格にギャップがある。
シナリオ終了後は右手を失い、教団と言う帰る場所もなくなったため路頭に迷って飢え死にする。
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【登場する神話生物】
シアエガ:マレウス P.175
オスイェグ:マレウス P.149
ナガアエ:マレウス P.85またはKPC P.90
クトゥグア:マレウス P.160

【登場する魔道書】
昇る光:KPC P.34
呪われし者たちより:KPC P.34
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KP情報:赤字はPLへの開示情報です。その他情報はオレンジで表記。

▽以下よりシナリオ本文

【シナリオ導入】
現代ではスマートフォンが普及し、便利な世の中となった。その便利なツールの中にQRコードと言うものがある。QRコードとは四角形の中に文字やURLと言った情報が詰め込まれており専用のカメラで読み込むことによって簡単にホームページや個人データを閲覧できると言ったものだ。そのため広告や名刺などにこのQRコードは多く取り入れられている。
そしてそのQRコードなのだが、突如として台東区の町中に現れた。それは奇妙な絵の描かれた用紙に一緒に印刷されており、それが町の壁や電柱など至る所に貼られているというのだ。印刷されたQRコードを読み込んで見ればとあるサイトにアクセスできるが、大きな文字で「はずれ」と出てくるらしい。その事もあって若者の間では町中に貼られたたくさんのQRコードの中に「あたり」があるのではないか?と噂され、スマートフォンを片手に町中をうろつく人々が増えたとされている。それは探索者も例外ではなく、探索者の生活圏内にもQRコードが印刷された奇妙な紙が貼られ始めている。白と黒の正方形が、見開かれた不気味な眼と共に。

さて、そんな『違和感』が入り込んでくる日々を探索者たちは過ごしている。会社や学校へ行ったり、遊びに行ったり、家でのんびりとくつろいだり。しかし探索者たちの『日常』は確実に侵食されていた。
外に出れば必ず目に入るあの『QRコード』。それはコンビニの壁、町の路地裏、選挙ポスターのパネル、飲み屋の看板にすら貼られているのだ。とある路地裏では壁を覆い尽くすように紙が貼られていたとも聞く。深夜番組にてこの不気味な現象が特集された事もあるようだ。少しずつ受け入れられつつあるこの現象に薄ら寒いものを感じるかも知れないし、この紙を貼っている者を誰も見たことがないと言う噂から、オカルト的な何かを感じ、気になっているかも知れない。

◆QRコードに関しては<図書館>などで調べることができる。

『町中に貼られたQRコードについて』
突如として町に現れた謎のQRコードは日に日に数を増しており撤去が追いつかない程で撤去した次の日には丸々その紙が戻ってきたかのように貼り付けられていたと言う事もあったそうだ。
不思議なことにその紙を壁に貼り付けている人物を見たと言う者は誰もおらず、人の所有物である店の壁や電柱に無断で紙を貼り付ける行為は違法でもあるため警察は調査をしているが一向に手がかりは掴めていないそうだ。


『QRコードの読み込みについて』
QRコードを読み込む事によって出てくる「はずれ」と言う文字は「あたり」があると言う意味にも捉えることが出来る。仮に「あたり」があるとして、もし「あたり」を引いてしまったならその人は一体どうなってしまうのか。お金持ちになれる、選ばれたと言って死んでしまうなどと言った噂が飛び交うが、「あたり」を引いたと言う人物は未だにいないとされている。


『QRコードと一緒に印刷されている絵について』
黒で描かれた不気味な目のイラスト。渦巻くようにして描かれたその目はまるで人々を恨むかのような印象を受ける。よく見ればその絵には「R」とだけサインがしてある。ここからの特定はなかなかに難しいようで、未だされていない。
∟資料にフライヤーをイメージした『QRコード』のイラストがあるので、それを提示しても良い。

【QRコードの読み込み】
探索者がふと、QRコードを読み取れば赤く大きな文字で「あたり」と出てくる。何度確認してもそれは「あたり」である。そして何かを読み込むような動作があり、とあるサイトに飛ばされた。そして飛ばされたサイトには『特別展示会(太陽と双眼展)へのご招待』と書かれている。そこには訳あって世間に名や顔をだせない芸術家「R」についての事、そして展示会についての事が書かれていた。

『特別展示会-太陽と双眼展について』
私、「R」は訳あって世間に名前も顔も出すことができません。外に出られない悔しさを誤魔化すように絵を描いてきました。そして描き溜めた数点の絵を飾り、展示会を開こうと思ったのです。しかし、私は大勢の人に自分の作品を見てもらう事にためらいがあり、こうして町にあたり付きのQRコードを印刷した紙を貼り出しました。そこから「あたり」を引いた数名を展示会にご招待しようと思ったのです。このサイトを見てくださっている「あたり」を引いた方々、どうか是非私の絵を見てください。
今はインターネットと言うとても便利なものがありますし、こうしてサイトにアップロードすれば簡単に作品を見ていただける事はわかっています。だけど、画面ではなく、その目で私は見て頂きたいのです。そしてできることなら作品に感想を頂きたいのです。食事の席もご用意したいと思っています。質問があれば、その席でお話しようと思っています。どうか私の作品を見に来てください。
それでは、お待ちしております。
「R」


文章の最後には日時と集合場所、時間が書かれており、10月17日午前10時に「るりのわアイ美術館」に集合、終了予定時刻は14時とされている。
◆文章に対し<心理学>や<人類学>のロールを行えば文章がどこか拙いように感じる事だろう。さらに探索者が美術館に関して調べてみるなら<図書館>などで調べる事ができる。
探索者たちが指定された日の予定を調べてもその日には展示会の予定は入っておらず、それどころかその日は休館日である事がわかる。

『るりのわアイ美術館について』
「るりのわアイ美術館」は略して「アイ美」と呼ばれている。
住所は台東区内にあり、個人で経営されているものらしく、館長の名前は璃野和味花(るりのわ あじか)という。
美術館内にある施設はたいへん充実しており、宿泊施設や公園、カフェ、会議室やヘリポートがあり、特に大きな図書室は一般に対して開放してある事から図書館としても多くの人が利用をしている。
そしてるりのわアイ美術館は個人に部屋を貸出して展示会を行える事もあって近所の美術大学生や画家が展示を行う事もあるそうだ。


10月17日

【美術館へ-NPCとの合流】
その日、探索者たちがるりのわアイ美術館に赴けば美術館入口前の広場に同じような人物が他に4~5人(内2人はNPC)いる事がわかる。NPC2人の見た目としては若い男性と壮年の男性である。
るりのわアイ美術館はやはり休館日のようで人の気配はない。

◇若い男性-宮川晶(みやかわ あきら)について
職業などを聞けば彼は近所の大学に通う美大生と教えてくれる。来た理由に関しては「1年程作品作りに真剣に取り組む事が出来ず伸び悩んでいて、そこに訳ありの芸術家から展示会に招待されたものですから何かの刺激になるんじゃないかな?」と語るだろう。「R」について全く知らないが、町中に貼られていた紙に印刷された絵が「R」のものだとするならば自分にない絵を描くため、とても惹かれる絵を描く人だと答える。
彼が描く絵は主にスーパーリアリズムと呼ばれるもの。しかしそれはまだ荒削りであり、本人も納得がいっていない。

◇壮年の男性-新宮若木(にいみや わかぎ)について
ボサボサの白髪混じりの髪に無精髭、手に白い手袋をしており、印象としてはお世辞にも綺麗とは言えない事だろう。話を聞くのであれば職業は遺品整理士と答え、探索者が知らないようなら「孤独死した人の部屋掃除なんかをするんですよ」と教えてくれる。彼が来た理由としては「なんとなく」である。
◆<目星>に成功すると彼が大きな鞄を持っており<写真術>などに技能が振ってある探索者はこれがカメラ一式を入れる鞄である事がわかる。それを指摘すれば、芸術に関しては絵より写真の方が詳しいと言った話をしてくれるかも知れない。

■探索者たちが待っていれば1人の女性が近付いてくるのがわかる。そして彼女は全員の顔を確りと見てから「この美術館の館長をしております。璃野和味花(るりのわ あじか)と申します。」と綺麗に一礼をする。スーツ姿の彼女の身なりはとても綺麗で清潔な印象を受ける事だろう。頭を上げるとニコリと微笑み、「「R」はこちらの美術館にて特別展示会を行っております。どうぞ、着いてきてください。」と全員を探索者とNPCを館内へと案内する。

■休館日の美術館の中は人気が無くやけに不気味である。館内を歩き探索者たちはそのまま奥の部屋、展示室Bと書かれた部屋へと案内された。璃野和が扉を開けるとそこには暗幕がかかっており、それを潜って中へと入れば照明が灯る部屋に出る。その部屋の壁には大小様々な絵画が飾られていた、その絵画はどれも禍々しい力強さと異彩を放っており、プレッシャーのようにも感じるかも知れない。そしてその展示室の中心には赤いローブを目深に被った人物が車椅子に座っていた。「ようこそ、私「R」の特別展示会へ」と、機械で加工された声で挨拶がされる。ローブの人物は璃野和に車椅子を押してもらいながら探索者たちへと近付いてきた。

◆<目星>を試みるなら、ローブの人物は肌の露出が一切なく、顔には面をつけており手には黒い手袋をはめている事がわかる。
◆<医学>などで「R」の付けている機械がボイスチェンジャーなどではなく、拡声器のようなものである事がわかる。

「見事「あたり」を引いてくださった皆様、初めまして、私が「R」です。しがない芸術家をやっております」と、「R」はぎこちない動きで探索者に一礼をする。そしてゆっくりと頭を上げると「お願い事が少々あります、作品にはお手を触れないでください。写真撮影などはしないでください。SNSに私の事は書かないでください。しかし、展示会に当たった。などといった事は構いません。わからない事がありましたら、私か…璃野和さんに聞いてください。勿論、作品に関する質問も受け付けています。本日は本当にお越しいただきありがとうございます。…挨拶は慣れていないので、このくらいにしたいと思います。私は隅で貴方たちの様子を見させていただきます。それではごゆっくりどうぞ」と言って璃野和に車椅子を押されながら、部屋の隅へと移動した。

部屋の中にある絵画は全て大小あわせて13作品あり、そのうち4作品が大きなカンバスに描かれているものだ。探索者たちは自由にこの絵画を閲覧する事が出来る。

KP情報:NPCの動きとして宮川は食い入るようにして絵画を一枚一枚を丁寧に見ており、度々「R」の元へ向かい何かを話しているのがわかる。新宮は足早に作品を見て回り、早い段階で展示室を出て行ってしまう。これは煙草を吸う為である。探索者が追いかけ、会話するのであれば新宮は「すげえ才能だと思うが、どうも不気味でよく見てられないな」と答える。探索者たちが絵を見ている途中、さりげなく新宮が(煙草を吸うために)展示室から出て行ったと言う描写も入れて良いだろう。

【絵画の鑑賞】
◇小さな絵画
全部で9作品あり、全てが幾何学模様で描かれたものだとわかる。
◆<目星>や<アイデア>に成功すると、町中に貼られた紙に印刷されていた絵と同じものがあるとわかる。そしてどの作品にも必ずと言っていい程『炎』と『目』(それは『眼球』であったり『瞳』であったりと様々な表現)が描き込まれている事がわかる。
◆<芸術:絵画>などロールに成功するのなら小さな作品は全てマジックで描かれている事がわかる。
更にこのような主に黒一色でうねるような線が描かれるものが『種族の、部族の』と言った意味をもつ『トライバル』と呼ばれるものだとわかる。

◇大きな絵画1-中央上部に大きく太陽の描かれた作品。
◆<目星>太陽は赤々と燃え滾り、周囲の全てを燃やし尽くしてしまいそうである。その周囲には黒く焦げかけた人々が祈り、横たわり、抗いようのないその力に服従しているような印象を受ける。作物や泉は枯れ果て、動物の死骸も丁寧に描き込まれている事がわかるだろう。
◆<芸術:絵画>のロールを行えば、これが太陽への信仰心のような構図で描かれている事がわかる。
◆<心理学>太陽を崇めるように描かれたその絵には『恐れ』や『畏怖』の気持ちが込められているのではないか?と感じ取る事が出来る。
◆<芸術:絵画>と<心理学>のロールを組み合わせて行うのであれば、この絵には太陽への畏怖の念が描かれている事がわかるだろう。「R」は太陽を恐れながらも、常に我々を見下ろす神のような存在として敬意を抱いているという意図が汲み取れる。

◇大きな絵画2-真っ黒に塗りつぶされた絵画。
◆<目星>黒一色が渦を巻き、うねり、吼えるように上へと向かって伸びていく一面が真っ黒な絵画である。よく見るとでこぼことしている事がわかる。
◆<芸術:絵画>のロールを行えばそれはただただ黒く塗られたのではなく、描かれた黒い線や面が幾重にも折り重なって描かれたものだとわかる。そして黒が一番集合する位置には大きく渦が描かれている事がわかるだろう。更にこの絵には様々な立体物が貼り付けてある事がわかる。毛糸やビーズ、シャーペンの芯やちぎった新聞紙、機械の小さな部品なども貼り付けられ、それらも黒に塗られている事がわかる。

◇大きな絵画3-極彩色で描かれた動物と人間の絵画。
見るだけで目が潰れてしまいそうな程に様々な色が使われた絵画である。この絵を見る場合は<目星>にマイナス30のロールを行う必要があり、失敗すると目が痛くなる。しかし見る度に目が慣れてくるので何度でも挑戦する事が出来る。
◆<目星>絵には抽象的に描かれた様々な種類の動物と、それを従えるように歩く一人の女性が描かれた絵である事がわかる。しかしどの色も激しく主張し、境目がたいへん曖昧なためその動物全てを特定する事が難しいと感じる事だろう。女性は指をどこかへと指し示し、それに従うようにして動物たちが皆同じ方向を見ている事がわかる。
そしてこの絵画には、細かく何か文字のような模様が刻まれている事がわかる。
◆その文字のようにも思える模様に対して<芸術:絵画>または<INT>×3のロールに成功すると、これが絵の女性のように動物を従える事の出来る呪文だと理解し、その呪文が脳へと知識として流れ込んでくる。探索者は《動物に命令する》の呪文を習得する事が出来る。(後の簡易キャトルフに詳細があります)
※しかし、使役出来る動物が決まっているようで、それが何の動物かはわからない。

◇大きな絵画4-全ての作品の中で最も大きな作品。そこには大きく禍々しく『双眼』が描かれている。
◆<目星>空に浮かんだ二つの大きな瞳の絵。両の目の瞳の色が違うと言う事がわかるだろう。片方は燃えるような赤で描かれ、もう片方は燃え尽きたような灰色で描かれている。その双眼の元には破壊されたような町が広がっており、潰れた建物からは煙や炎が上がっている。破壊的であり、破滅的な絵であると感じる事だろう。
◆<芸術:絵画>特別な技法は使われていないが、色以外の全てがシンメトリーで描かれている事がわかる。この絵をアシンメトリーとしているのはおそらく双方で違う瞳の色であろう。

★探索者が「R」に対して絵画の事を聞いてみるのなら以下のように答える。

・小さな絵画について
トライバルなどに関してはどれも無意識に思うままに描いていると答える。
『目』に関しては少し考えたあとに「それが、無意識に描いてしまって」と答える。
これらは火傷を負う前から描き溜めていたものである。

・大きな絵画1-太陽の絵について
「それは炎への恐怖、そして炎である太陽に私たちは生かされているという感謝を描いたものです」と答える。

・大きな絵画2-黒く描かれた絵画について
その絵に対しては特に語ろうとはしない。ただ「取り憑かれたように描いていたので、思い出すことが出来ないんです…でも、物を貼り付けたりして、制作はとても楽しんでやったんですよ」と答える。

・大きな絵画3-極彩色の動物と女性について
「それは動物と共に生きていた女性を描いたものです。彼女は実在する人物で、不思議な力を持っているんです。彼女は…動物を操る事が出来たんですよ、自由に言う事を聞かせていました」
絵のモデルについて聞けば「しばらく会っていませんが、きっと元気にやっていると思いますよ」と答える。

※絵のモデルの女性は怪異に巻き込まれ帰らぬ人となっている。しかし「R」はしばらく外の世界とのつながりを完全に遮断していたため、彼女の生死については知らない。

・大きな絵画4-双眼の絵画について
「それは、夢に出てきたものです。突如として空に二つの眼が現れて、爆風と共に周囲の建物や山が破壊された夢です。その大きな眼は全てを見透かすようでした。」
「決して楽しいとは言えない夢の中で自分を見下ろした瞳の色は赤や緑に変わるものと、灰色を保ったままのものがありました。自分は飛び起きて、そのまま絵の制作にかかりました。…あまりにも恐ろし過ぎて何かにぶつけないと潰れてしまいそうだったもので…」と消え入りそうな声になっていく。

KP情報:シンメトリーで描かれているのは「R」はあえてそう書く事によってその眼が『別物』である事を表現しようとしました。これは「R」もとい彩夢との友好度が高くないと教えてくれません。

■その後は別室にて食事会が行われ探索者には食事が振舞われる。イタリアンなどが妥当だろう。
食事は至って普通の料理である事がわかる。もし怪しんで<医学>などで調べたとしてもただの料理と言う事しかわからない。そして「R」の席には食事が用意されておらず、それについて聞けば「食道がやられていまして、こういったものを食べることができないのです」と答える。
ここでは絵画以外に関しての質問を「R」や璃野和味花にする事が出来る。しかしあまりにも失礼な質問をすれば、「R」なんかは困って黙り込んでしまうかもしれない。

□「R」に対する質問
・本名や年齢について
「それをお答えする事はできません…でも、「R」は本名からとっております」
「17歳です」
・ローブや仮面について
「私は重度の火傷患者でして、この下は包帯だらけなのです。包帯の下も見れたものではありませんし、顔なんてもっと見れたものではありません。なのでこうして隠しているのです」

□璃野和味花に対する質問
・るりのわアイ美術館について
「代々続く美術館です。最近改装したのですが、図書館などは改装せずそのままで残してあります」
・「R」との関係について
「才能に惚れ込んで金銭的援助をしているんです」

そして探索者たちが「R」とある程度の会話を終えた後は、宮川と「R」が何かを話している事がわかる。内容としては「とても刺激になった」や「あの絵は太陽信仰の絵なんですか?」と言った探索者らと変わらぬものである。
◆<アイデア>に成功すると、美大生であるためか、絵画や技法に関する専門的な言葉を使う宮川に対して「R」は少し困ったように返答している事に気が付くだろう。
探索者がその事を注意すると、宮川は慌てたように「す、すみません、ちょっと熱が入りすぎました」と「R」に向かって素直に謝り、「R」も「いいんですよ」と快く許す。

【太陽と双眼展の終了】
時刻は14時に差し掛かった頃、「R」は「もう皆さんとお別れですか…、少し寂しいですね」と呟く。
すると新宮が「写真でも撮りますか?僕が撮りますよ」と言って手袋を外し荷物の中から一眼レフカメラを取り出してきた。「R」は少し戸惑うも、何かを決心したように集合写真へと参加する。
探索者が写真に写るかは任意である。
この集合写真に参加するのは「R」、宮川晶、璃野和味花、そして参加した探索者のみである。新宮はカメラマンのため写真に映る事はないが、誘えばタイマーなどを使い一緒に写ってくれるかもしれない。

写真を撮る瞬間「R」は床に何かが落ちているのに気が付きそれを指さした。それをカメラの映像を確認していた新宮が気付いたのか、その落ちていたものを拾いあげ「ん?USB…?これ誰のだ?」と全員に見せる。探索者たちはそのUSBに見覚えはないが、宮川が申し訳なさそうに「ああ、それ俺のです…」と手をあげる。新宮はそれを宮川へと返せば、宮川はホッとしたように「よかった、この中には大学の課題のデータが入っていたから、無くしたら大変なことになるとこでした。ありがとうございます」とお礼を言う。
そして改めて全員で写真を撮る事だろう。現像した写真を送るため新宮は探索者たちや宮川、そして璃野和に電話番号(スマートフォンアプリを希望する場合はそのID)を聞く。
記念撮影を最後に、この日は何事もなく終了する。

10月22日

【新宮の撮った写真】
探索者たちが特別展示会へ行った日から5日後。人に作品を見てもらい「R」は気が済んだのか町中に貼られていたQRコードの印刷された紙はほとんどが撤去され、それから現れる事もなくいつも通りの日常が過ぎていく。そんな中で探索者たちに新宮から連絡が入る。それは以前撮った写真に関する事のようだ。それを渡したいからといい集合をかけてきたのだ。理由などを聞いても「会って渡したい」と返される。
指定されたカフェなどに探索者たちが行けば、席には新宮が座っており、その顔付きはどこか神妙である事がわかる。しかし探索者が集った事を確認すると、新宮はゆっくりと話を切り出す事だろう。
「どうも嫌な写真が撮れてしまったんだ。それで君らに送るかどうか悩んでいたんだが…これは個人の問題に出来そうもない。訳あって宮川くんにはまだこの写真は送っていないが……いやとにかく、この写真を見て欲しいんだ」
と探索者たちの前に一枚の写真が置かれる。
写真を見てみればそこにはどす黒いモヤのようなものが探索者たちを取り囲むようにして不気味に渦巻いており、特にその黒いモヤが集中しているのがこの場にいない宮川晶である事がわかる、彼の姿は完全に黒に覆われており表情すらみる事ができない。探索者たちは新宮がなかなか写真を送れなかった理由だと理解すると同時に、映った何かにとてつもなく嫌なものを感じる事だろう。<0/1d2>の正気度を喪失する。
新宮は「こんな写真が撮れてしまって、君たちの事が心配になってね。勿論宮川くんもだが…この写真、あまりにも不吉過ぎてなんて言ったらいいかわからなくて」と複雑そうな顔をする。

◆写真に対して<目星>や<アイデア>のロールに成功するのならば、その黒いモヤのようなものは「R」にはかかっていない事に気が付く。
◆<写真術>のロールに成功するならば、これが合成や修正・加工されたものではないと言う事がわかる。
◆<オカルト>のロールに成功するのなら一般的に撮れる心霊写真などで黒は非常に不吉とされており、モヤのかかった人物が自殺を考えていたり、何らかの事故でもう直ぐ命を落とすと言う事を暗示している。と言う事を知っている。

探索者が宮川晶に連絡をとろうとしても電話は繋がらない。そしてカフェに備え付けられたテレビからあるニュースが速報で読み上げられた。
それは男性のバラバラ死体が見付かったというものだ。

『惨殺死体事件の内容』
□状態
遺体は非常に強い力で無残に引き裂かれており、バラバラの状態だった。
□発見場所
探索者たちが住む町の河川敷。
□発見者
その河川敷を寝床にするホームレス。
□身元について
遺体の損傷が激しいため、身元特定が難しいとされている。


探索者と新宮はそのニュースを見て発見された死体が宮川晶のものなのではないかと考えてしまうかもしれない。そしてその死体が万が一宮川晶のものだとするならば、次はもしかすると写真に写っている自分たちが命を落とすのではないか?そんな考えがよぎってしまう事だろう。<0/1>の正気度を喪失する。
そして新宮は探索者たちに「僕は宮川くんを探そうと思う、君たちはどうする?」と聞いてくる。写真に写っていない新宮が何故そんな事を提案するのかと聞けば彼は「僕はおせっかいなんだよ、これでも」と笑って答える事だろう。

【宮川晶の行方】
宮川晶を探すにあたって彼はるりのわアイ美術館の近くの美大に通っていると言う事を思い出す。

■美術大学
大学内にて彼について聞き込めば油絵を専攻している事がわかる。そして油絵の教室に向かえば独特な匂いが探索者の鼻を突く事だろう。教室では数人がカンバスに向かっているがその中に宮川の姿はなく、突然入ってきた探索者に対して何人かが怪訝な表情を向けている。
一人の女子生徒が近付いてきて、「なんの用ですか?」と明らかに不機嫌そうに訪ねてくる。

・雰囲気について
締切りが近く、多くの生徒がピリピリとしている状態のようだ。
・宮川の事
「さあ、こんな時に居ないとか…作品ができなくて逃げたんじゃない?」などと素っ気なく答える。
・いつ頃から来ていないのか
「1週間前から来ていませんよ」と教えてくれる。

宮川が向かっていたとされるカンバス、使用している画材はそのまま放置されており、絵の進行具合からか話に応じてくれている生徒はため息をつきながら「あれじゃもう間に合いませんね、サボってるくせに卒業旅行だけは参加するんですから」と吐き捨てる事だろう。道具やカンバスを見ても特に気になる事はない。
宮川の住所は事情を話せば友人や教授が教えてくれる事だろう。そして宮川はるりのわアイ美術館の常連である事もわかる。

旅行について(この情報は滅多に開示されない):卒業シーズンとは少しずれて生徒たちで明後日(10月24日)にドイツ旅行に行く予定があるそうで、宮川はキャンセルを出してはいないようだ。更に詳しく聞いていけばこの旅行計画を経てたのは宮川である事もわかる。

■るりのわアイ美術館
訪れればその日は開館日のようで、璃野和味花は今日一日美術館にいる。受付にて璃野和に会いたい旨を伝えると、応接室にて璃野和と話をする事ができる。

・宮川の行方
「彼なら昨日の夕方…5時頃でしたでしょうか、こちらにやってきて、「R」と話したがっていました。…しかし「R」は一昨日から検査入院で病院に行っていまして、話は出来なかったんですね…「R」が帰ってくる頃にまた来るとおっしゃっていました」
「帰る時に図書館で何かを探していたようですが、見付かったんでしょうかね」

・図書館について
「大きくて古い図書館です。「R」もよく利用していました。」
「太陽の絵の参考にした書物も図書館にあるはずです」

・「R」、検査入院について
「彩夢が展示会に飾ったあの4枚の大きな絵の内のあの中の『双眼の絵』、覚えていますか?あれは最近描いたものでして…ある日突然驚く程の集中力と執念で描かれたものなんです。…入院はその無理が祟ったのかもしれませんね…」
「彩夢(さいむ)はあんな大怪我をしながらもとても頑張り屋で…本当にいい子なんですよ」と微笑むことだろう。

★璃野和は「R」の本名が「彩夢(さいむ)」と口を滑らせてしまう。
探索者がそれを指摘するならはっとしたように口元を押さえながら「ごめんなさい、隠すつもりはなかったんですが…「R」は私の娘なんです」と言う。
※RPなどで引き出してもらうのが望ましいが、KPが難しいと判断した場合は璃野和から「R」が自分の娘である事を開示しても良い。

・「彩夢」について
璃野和と「R」は実の母娘であり、大火傷を負いながらもひたむきに好きな事を続ける娘を璃野和はそばで見守って支えていると語る。
何故隠すような態度でいるのかと聞けば「娘がそうして欲しいと、お母さんは綺麗なのに、娘の私がこれじゃ世間が何を言うかわからないから…と言って」とどこか寂しそうに語るだろう。

★「R」は明日(10月23日)の17時頃に迎えに行く予定となっている。「R」は全身火傷のため市立の総合病院に通院しており、作品制作や展示会などで少し無理があったため検査入院をしているようだ。検査入院中は無菌室に入れられるため面会謝絶となっている。
璃野和は探索者に「何かわかったことがあったら連絡をしますので」と言って連絡先の交換を申し込んでくる。

※この連絡先の交換は後のイベントに繋がるので、確りPCと行う事。

■るりのわアイ美術館の図書館
本棚には様々な書物の収められた規模の大きな図書館。
璃野和がいるなら「R」がよく見ていた本棚の場所を教えてくれるため、本を探す事にそれ程時間は必要としない。
◆<図書館>のロールに成功すると、ついた絵の具を一生懸命消した跡がある古い本(昇る光)を見付ける。
手に取ってみるとそれはヘブライ語で書かれており、そして本自体に少し違和感を覚える事だろう。
◆この本に対して<隠す>または<目星>の半分の値のロールに成功すると本に隠されたSDカードが隠されている事がわかる。

『SDカードの中身』
いくつかのファイルが入っており、その中にはQRコードの入ったフライヤーの画像や絵画の写真が収められている事からどれもがあの特別展示会に向けての画像データである事がわかる。
フォルダ内を見ていく内に探索者は『!極秘!』と書かれたファイルにたどり着く。
中を開いてみるならば『日記』と名付けられたデータが入っている事がわかる。

『「R」日記の内容』※気になるところのみ抜粋
5月6日
あの日から数ヶ月、やっと自由が利くようになってきた。文字はこうして打つ方が楽だ。
今日から日記を書いていこうと思う。
筆を持つ手は言う事を聞かない
でも、死にかけた人間が死ぬ気で描けばなんとかなりそう。

5月8日
手がめちゃくちゃ痛い…。

5月9日
怖い夢を見た。大きな目が2つ私をじっと見ていた。
目だから当然なのに、あの目は別々の何かに思えた。
あれを絵にしてみようと思う。

7月3日
太陽の神様について
図書館で見付けた昇る光と言う本。
知らない言葉だったが、辞書を引きながら読んでみた。そして私はあの時に見た太陽のことを思い出した。
神の名前はクトゥグア、太陽のように燃える大きな炎の塊。
私が身を焼かれながら出会った太陽。生きるための試練を与えてくれた神様。
クトゥグアが私を生かしてくれている、描かなければ、私が最も恐れる姿をした神を。

8月25日
絵を描いていく内に、自分の作品を見てもらいたいと思うようになってきた。
贅沢な考えかもしれないが、少しだけでもいい、人の記憶に残っていて欲しい。
この身体だ、いつ死んでもおかしくない私の絵を、誰かの記憶の中に。
お母さんにそれを伝えたら、協力してくれると言った。
作戦決行だ!

9月10日
私がこうなる前からずっと描いていた友人の絵が完成した。
昔、彼女が教えてくれた呪文を取り入れてみた。
でも、この呪文は猫専用らしい。彼女は色々知っていたけど、猫しか教えてくれなかった。
効果があるのかな?でも身近に猫がいない、残念。

9月26日
昇る光の翻訳も打ち終わった。
《昇る光の招来》はクトゥグアを呼び出すもののようだ。勿論、逆に読めば返すことも出来る。
《ケラビムの援助》はクトゥグアに仕える炎の生き物を呼び出すものと解釈した。
つまり、全てを焼き尽くす太陽が条件さえ揃えば呼び出すことが出来ると言う事…?

悪い人に渡るかもしれない。…そうだ、翻訳したデータを入れたSDカードを隠そう。
それか、信頼できる人に渡そう。誰かが悪用するかもしれない。

10月12日
やっと全ての絵が完成した。
「あたり」を引いた人たちは来てくれるだろうか。
最近少しだけ体調がよくない。

10月14日
全身が痛い、喉が渇いた。
でも、もう少しで展示会だ。

10月16日
いよいよ明日、展示会だ。
来てくれる人はどんな人たちだろう。私の作品をみて、どう思うだろう。
楽しみの反面、すこしだけ怖い。
展示室の隅に座って、絵を見てくれている人を見るのが、少しだけ夢だった。


□魔道書データ□
『昇る光』
書かれている言語:<ヘブライ語>
正気度喪失<1/1d6>
<クトゥルフ神話>に+3%
研究し解読するために平均17週間/斜め読みに10時間
※探索者が<ヘブライ語>のロールに成功した場合、これがオカルトの啓示だけではなくクトゥルフ神話の魔道書である事を認識するために<クトゥルフ神話>のロールに成功しなければならない。失敗すると情報に気付くことが出来ずこの本から利益をまったく獲得できないが、正気度を失う事はない。

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【宮川晶の家】
彼の住所へと向かえば一軒家にたどり着く事が出来る。ドアや窓の鍵はしっかりと施錠されており無理矢理中に入ることは難しそうだ。
※るりのわアイ美術館に行く前に訪れても女性(葉芽都仁巳)に会う事は出来ない。新宮は「出直すか、郵便物もないしもしかしたら定期的に帰っているのかもな」と言う。

■美術館でのイベント後に宮川の家へと訪れれば、ポストの中を見ている女性がいる事がわかる。女性は黒いパーカー姿で買い物袋を持っており、探索者たちに気付くと「こんにちは、何か御用ですか?」と聞いてくる。
彼女は蛙沼仁巳(かわずぬまひとみ)と名乗り、宮川を下の名前の「晶」と親しげに呼んでいるのがわかり、宮川との関係を聞かれると「お付き合いをしているんです」と照れくさそうに笑うだろう。
彼女に話を聞いてみれば、宮川は4日程前から帰ってきておらず、それどころか連絡も入れて来ないそうだ。
心配ではあるが芸術肌でもある彼に何かを言うのは気が引け、こうして時間を見つけては家に通い、帰っていないか様子を見に来ているのだと言う。
「…全く…変な芸術家の展示会に当たった!とか言って出て行っちゃうんだから…それから一回は帰ってきたみたいだけど、直ぐどこかへ行っちゃったみたい」と彼女はムスっとした表情を見せる。
◆彼女は家の合鍵を持っているため<信用>や<説得>、<言いくるめ>などを行えば中に入れてくれる事だろう。

KP情報:後に記述しているが、彼女に対して<心理学>など、探りを入れるロールは通用しないため注意すること。

〈調べられる部屋〉
宮川の自室/アトリエ/居間/納戸

◎宮川の自室
ドアを開ければ机に本棚、ゴミ箱とベッドのある簡素な部屋である事がわかる。

◇本棚
教科書や参考書、漫画が収められている事がわかる。特に気になるものはない。

◇ベッド
綺麗に整えられたベッド。下にスペースがあるが、そこには何もなく、綺麗に掃除されている事もわかる。

◇ゴミ箱
ゴミ箱の中を漁ってみれば鉛筆の削りカスやティッシュ、お菓子の袋や丸められた紙などが捨てられている。
◆<目星>のロールに成功すると、探索者は折りたたまれた紙を何枚か発見する事ができる。開いてみるとそこには六芒星の中心に赤い文字で『飽きた』と一言書かれているものや、単純な図形がいくつも組み合わさったものが書かれているものなどである。
◆<オカルト>のロールを試みて成功するのであればネットで噂されている「異世界への行き方」の方法と言う事を知っている。単純な図形のものはタットワの技法と言う。
同時に宮川の日記などを確認すれば、彼は非日常を求めているのではないか?と考えつく事だろう。

◇机
机には引き出しが付いており、上に置かれたデスクトップパソコンにはロックなどはかかっておらず簡単に中を調べる事が出来る。

●パソコン
中には大学のスケジュールやレポートのデータが綺麗にフォルダごとに分けられており、一見気になるものはないように見える。
◆これ以上調べるにも<コンピューター>のロールに成功する必要があるだろう。成功するのであればウェブサイトの履歴から何かを購入し、PDFファイルをダウンロードしている事に気付くだろう。そのファイルについて調べるのであれば、購入した値段が決して安くはないと言う事がわかる。

ファイル名:『Von denen Verdammten.pdf』

◆ファイル名に関して<その他の言語:ドイツ語>のロールに成功すると『呪われし者たちより』と翻訳する事が出来る。アプリなど使って解読した場合は『それらの呪われたもの』と翻訳する事が出来る。
しかし購入履歴はあるもののそのファイルはパソコンの中にはなく、復元などを試みてもファイルが出てこない事がわかる。<アイデア>なので別の媒体に移し持ち歩いているのかもしれないと気付く事だろう。

●引き出し
鍵はかかっておらず開けて中を漁ってみれば手帳を発見する。
手帳を開いてみるならそれはどうやら今年のスケジュール帳のようでびっしりと予定が書き込まれている事がわかる。そしてそのスケジュール帳にはダイアリーページもあり、時々彼の心情が綴られている。

『ダイアリーの内容』
■9月1日
講評はとても苦手だ。自分でも満足していない取り敢えず描き上げたものについて聞かなければいけない。
■9月9日
エレベーターに乗ってふと、異世界へと行く方法を思い出し、試してみたが最初の段階で人が乗ってきたため断念。
■9月21日
ずっとずっと誰かに見られている気がする。気味が悪い。次の作品はどうしようか、何か刺激を求めて旅行に行ってみようかな。
■9月22日
異世界へ行く別の方法を試してみた。成果があったのかすら不明。
■9月25日
今日、ネットサーフィンをしていた所面白いデータファイルを見付けた。少し高かったがいい刺激になるかも知れない。
■9月29日
何てことだ…そんな事があるなんて。
■10月15日
町に突如として現れたQRコードを読み込んだら「あたり」と出た。そして特別展示会と言うものに招待された。正直とても嬉しい!一体どんな絵を描く、どんな人なのだろう。はやくその日にならないかな。
■10月17日
ただいま。「R」の絵はとても素晴らしかった。「R」はもしかしたら自分と一緒かもしれない。
気になる事ができた、今から試してみようと思う!
(それ以降日記は書かれていない)


◎アトリエ
フローリングの洋室をそのままアトリエとして使っているようだ。部屋には描きかけの絵が一つだけイーゼルに乗せて置いてあり、近寄ってみればそれは写実的に描かれた緑の瞳の目である事がわかる。何層にも色が重ねられ丁寧に、今にも瞬きをしそうなリアリティで描かれている。
それ以外に気になるものはない。

◎居間
ソファやテレビが置かれており、広々とした印象を受けるリビングである。
◆<アイデア>1/2に成功すると何か違和感のようなもの覚えるが、<隠す>に成功すると壁掛け時計に隠しカメラが仕込まれている事に気が付く。
これを蛙沼に告げるならば彼女はそれをひどく気持ち悪がるに違いない。
●隠しカメラについて
◆<アイデア>や<知識>で非常に小さなカメラで送信機が付けられている事から映像は別の媒体に送信され保存されていると言う事がわかる。特定には専門的な知識と機械、相応の時間が必要だと感じる事だろう。

KP情報:宮川の家に仕掛けられた隠しカメラは全て宮川をストーキングしている蛙沼仁巳(葉芽都仁巳)が仕込ませたものであり、探索者たちの前で彼女は演技をしているのだ。その演技は完璧なもので、探索者がむやみに<心理学>などを行うようであれば自動的に失敗としてもよい。彼女の演技と言葉選びは完璧で隙がない、真実を取り入れつつ話す事だろう。
※「晶とデートをした」とは言わない「晶が美術館に行くみたいだったから、着いていったとき」などである。

◎納戸(開かずの間)
位置などして納戸のようだが、厳重にいくつも鍵がかかっており開ける事ができない。ナンバーロックに南京錠、ドア自体にも鍵が取り付けられており不気味な程だ。
蛙沼に聞いてみるなら「ここ、私にも教えてくれないんですよね…」と複雑そうな表情を見せる。
◆ここを開けるには<鍵開け>のロールを三回成功させ、4時間かけて開ける必要がある。
◆<聞き耳>による匂い判定によってこの部屋からシンナーのような臭いがすると言う事がわかる。
探索者がこの部屋を開ける事に成功すると、ドアの先には真っ暗な空間が広がっており、中に入ればその異様さにいやでも気が付く事だろう。その部屋は床や家具、天井までもが真っ黒に塗料で塗りつぶされているのだ。その異様な光景に<0/1d3>の正気度を喪失する。

【河川敷】
探索者たちが河川敷へと訪れればバラバラ死体が見付かったと言う事もあって警察やマスコミ、野次馬で現場はごった返している。その近くで寝床を追われたホームレスたちが固まっているのを発見する。
彼らに話を聞けば「殺されたのはホームレス仲間かもしれない」と語り始める。
中には「化物を見た」「でっかい何かがこっちに向かってきた」と話す人たちもいる。
◆<心理学>や<目星>でその中でも一際怯えが目立つホームレスがいる事に探索者たちは気付く事が出来る。話を聞いてみようとしてもひどく怯え、言葉が支離滅裂である事が分かり<精神分析>などのロールに成功すれば少し落ち着きを取り戻し、慎重に言葉を探りながら見たことを話してくれる。

『ホームレスの目撃証言』<精神分析>に成功の場合
「俺は、み、みたんだ…化物、外からやけに異臭がするかと思って、覗いてみたら月明かりか何かで、その姿が見えちまったんだ…蛙がそのまんまでかくなったようだったが、腕があって、それで人を掴んで引き裂いたんだ。力任せに…!衣服と、想像もしたくねえが、あれはきっと肉と骨が裂ける音だったんだと思う、断末魔が聞こえて、その死体は飽きられたように投げ捨てられた…怖くて見なかったことにしようと、毛布に包まって一晩中震えていた…そうしたら警察が来て、記者が来て…やっぱり夢じゃなかったんだって…」と肩を落とす。そして「こんな話…誰も信じちゃくれないだろうけどよ…」と諦めたように呟く。

『ホームレスの目撃証言』<精神分析>に失敗、または<説得>などで無理矢理聞いた場合
「蛙、…化物、人が目の前でバラバラになった…夢だ、嘘だ、あれは夢なんだ、嫌だ…!!俺は何も見てねえ…!見てねえからな…!」と身に纏っていた毛布を掴み、震えだす事だろう。
周りのホームレスは「こいつ、おかしくなっちまったみたいだな、病院とか連れて行った方がいいのかな」などと話している事がわかる。

【璃野和の呼び出し-強制イベント】
夜に差し掛かった所で璃野和から電話がかかってくる。電話に出てみれば、真剣な声色で「決心がついて…少し、お話したい事があります、美術館の方へと来てください」と言われる。
話の内容に関して詳しく聞いても答えてくれる事はない。探索者たちが向かうのなら、美術館のある一室に明かりがついている事がわかるだろう。明かりのついた部屋の扉の前まで来るとそこが展示室Cと書かれている。扉を開けばそこにはソードや日本刀、槍、アンティーク銃など、(探索者の技能に合わせた)数点の美術品が飾られた部屋であるがそこに璃野和の姿はない。
展示室Cから更に奥へ続く扉があり、開けた先の部屋では椅子に腰をかけた璃野和の姿と、その周囲にローブを深く被った人物が3人立っていた。
探索者に気付いた璃野和は呟く「ああ、もう来たのか…」その口調は、明らかに璃野和のものではなかった。璃野和はゆっくりと椅子から立ち上がると「まだ俺だった身体の処分ができてないってのに…」と下品に頭を掻きむしる。「でも、まあいいや、ちゃっちゃとボスに言われた事済ませようや、太陽の神を退ける呪文が書かれた何か、お前ら知ってんだろ?どこにあるんだ?」その口調から男だろうか、璃野和の姿をした誰か、は探索者に向かってニタリと不気味に笑った。
探索者がどのような返答をしようと、戦闘は免れない。周りにいた人物たちはローブを脱ぎ捨てると武器を構え、璃野和は一歩後ろへと下がる事だろう。
狂信者3人との戦闘ラウンドとなる。武器を持っていない探索者は展示室Cにあった美術品を使うといいだろう。1Rかけて武器を取りに行く事が出来る。
※璃野和は戦闘に参加はしない。

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!エネミーデータ!
璃野和 味花(典良 誓信) 年齢:48歳(25歳)
STR:8  DEX:10  INT:14 アイデア:70
CON:11  APP:12  POW:13 幸 運:65
SIZ:13  SAN:50  EDU:17 知 識:85
H P:12  M P:1(呪文を使ったためMPが尽きている)ダメージボーナス:±0
呪文:《精神転移》《うじ虫》《被害をそらす》
武器:なし
技能:目星:70% 聞き耳:70% 図書館:70% 隠す:80% コンピューター:70% 機械修理:70% 電気修理:70% 電子工学:70% 芸術(現実逃避):99%

男の基本データ-典良誓信の率いるオスイェグの狂信者
STR:13  DEX:13  INT:13 アイデア:65
CON:13  APP:13  POW:13 幸 運:65
SIZ:13  SAN:0  EDU:15 知 識:75
H P:13  M P:13  ダメージボーナス:+1d4
装甲:なし
呪文:なし
武器:回避:40% ナイフ:50% ブラックジャック:50% 武道:40% こぶし:60%
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【戦闘の終了】
戦闘終了後、ローブの男たちに尋問を行っても喋ろうとはしない。
しかし璃野和の体に入っている男は質問をすれば多少は答えてくれる事だろう。

■璃野和への質問
・彼らの目的
「我らが神を目覚めさせる事であり、その為なら手段を選ばない…この身体が滅んでも構わない。神はそれをお望みだ」

・璃野和の身体について
「ははは、こいつの身体か?てめーらを呼び出すためにお借りした訳よ」
「これは《精神転移》って呪文のおかげだ。この女の魂はもうこの中にはない。身体に入れる魂は基本一つだろ?…つまり、この女は死んだも同然さ。残念だったな~?」
「これ使って呼んだらまんまと騙されてやってきてやんの!馬鹿だね~!」

・《精神転移》について
「てめーらに教えたって意味ないだろ~!?」

・男の名前
「どうせ最後だ、教えてやるよ。俺の名前は典良誓信(のりよしちかのぶ)。コードネームは精神転移ってね」

・ボスについて
「はあ~?教えるわけねえじゃん?」

KP情報:彼らは葉芽都仁巳が率いるオスイェグを信仰するカルト集団『破滅を歩むもの』たちである。彼女らはシアエガが復活する事によって我らが神オスイェグも復活すると言う啓示を受け、影から宮川晶をサポートしているのだ。よって宮川晶の行動の邪魔となる探索者たちの妨害、そして『昇る光』の翻訳を奪おうとしている。
探索者たちが『昇る光』と『SDカード』を図書館に戻していた場合、とぼけたとしても先ず典良に嘘だと見抜かれてしまう。彼もまた、隠されたものを見付ける技術に長けているためだ。

探索者による尋問が終われば、人を馬鹿にした態度のままの典良の胸倉を、新宮は悔しそうに掴み、拳を振り上げるが璃野和である身体を傷付ける事に躊躇いがあるのか振り上げた拳は行き場を失いゆっくりと下ろされる。その様子を見て「殺しにくいか?そりゃあ~失礼!じゃあ任務に失敗した俺はバイバイするよ、あの世でこの女によろしく言っといてやる」と笑った。
◆<聞き耳>のロールに成功すれば、典良が奥歯で何かを噛み砕いたと言う事がわかる。※生きているのであれば、他の男たちもそれに続くかのように何かを噛み砕く。
探索者たちが気付いた時にはもう遅く、彼らは奥歯に仕込んだ何かによってその命を断った。…典良は璃野和の身体だというのに。この悲痛な事態に探索者たちは<1/1d3+1>の正気度を喪失する。
彼らの身体を調べてみれば全員が眼のタトゥーを入れている事がわかるが、それくらいで男たちの身分を証明するものも何もない。
◆<薬学><化学>のロールに成功すると、彼らが奥歯で噛み砕いたものが猛毒の仕込まれたカプセルである事がわかる。

すると今まで拳を握り締めていた新宮が何かを決心したように手にはめていた手袋をとる。そして手を合わせてから璃野和の肉体をまさぐり始めた。他の男たちが持っていた武器や服、アクセサリーに触れ「…ダメだ、璃野和さんの身体に入る前の肉体があれば何かわかるかも知れねえが…」と呟き、探索者たちに「悪いが、こいつの死体を探すのを手伝ってくれないか、詳しくはあとで言う」と言う。

■死体探し
探索者たちは美術館内にあると思われる『男の死体』を探す事となる。
美術館内を探せば先ずこの建物が二階建てであり、更に屋上がある事がわかる。しかし屋上への扉は電子ロックがかかっており開ける事が出来ない。電子ロックは何かをスキャンさせるタイプのものである。
展示室や宿泊施設、廊下や部屋をくまなく調べていくと探索者たちは二階の倉庫にてブルーシートに包まれた大きな塊を見付けた。
◆<目星>のロールに成功すると、探索者はそのブルーシートの周辺に蠢く虫を見付けることだろう。それはブルーシートの僅かな隙間から漏れ出している。

□死体
探索者たちがブルーシートを開けばそこにはゴロリと無機質に転がる白い肉塊があった。いや、白いのはその肉塊に群がる蛆虫たちである事に気が付く。無数の蛆虫が男の死体を食い漁っているのだ。…そう、これは『証拠隠滅』であった。赤黒い肉を食い破り、入り込み、顔は既に判別がつかない程までに蛆虫に食い荒らされている。この無残な男の死体を見たことにより探索者は<1/1d4+1>の正気度を喪失する。
蛆虫をどうにかするには水や灯油、殺虫剤が手早い事だろう。ここは倉庫のため簡単に見付ける事ができる。
探索者たちが新宮の元に男の死体を運んだり、倉庫に新宮を呼ぶなどをすれば彼は「これは、ひどいな…」と漏らし死体に対して手を合わせる。そして黙祷の後そっと身体や身につけられた金属類に手を当て始めた。しばらくの間があり、何かを感じ取ったかのように目を見開けば、今度は一眼レフカメラを取り出して念じるようにカメラのシャッターを切った。そして彼は「…手がかりが手に入った、明日、それを現像して君たちにも見せるよ」と言う。「言って信じてもらえるかはわからないけど、僕はサイコメトリーが使えてね、それに加え念写ができるんだよ…まあ、超能力ってところかな」と力なく笑う。

璃野和が死んだ事を「R」にどう伝えるか、そして探索者は次の行動をどうするかを考えなければいけない事だろう。

KP情報:璃野和と狂信者の死体に関しては探索者たちが美術館を出て行ったあとに葉芽都が死体処理班を送り、跡形もなく消えてしまう事だろう。彼女はこの場を宮川との神聖な場所としたからだ。

───1日目が終了する。

10月23日

【朝のニュース】
探索者がニュースを確認するのなら、今度もまた似たような状態のバラバラ死体が1d3体見付かったと報道されている。身元が判明している死体もあるがその中に探索者が知っている名前はない。

【新宮若木の家】
探索者たちは新宮の家へと訪れる。新宮はマンションの2LDKの部屋に住んでおりその内の一室が写真を現像する暗室となっている。暗室から出てきた彼は探索者たちに「先ず…一つ謝らなくてはいけないんだが、昨日見せた集合写真は僕の念写で撮れたものだと思う。宮川くんの落としたUSBに触れた時、果てしない暗闇が見えたんだ。それがまさか無意識に写してしまう程に強いものだったとは…。その、すまない、こんな事になるなんて」と謝る。
そして2枚の写真を探索者たちに手渡す。そこには『廃墟の写真』『町中を歩く宮川晶』が写っていた。

・廃墟の写真
窓ガラスの割れた建物に錆び付いた柵、元は娯楽施設だったのか枯れたプールやジェットコースターのレールのようなものが写りこんだ写真だ。
<アイデア>のロールに成功すると、この町の外れにあるバブル時代に建てられた娯楽施設『フライハウスガルテン』である事を思い出す。

・町中を歩く宮川晶の写真
たくさんの荷物を持って歩いている宮川の姿が写っている。
◆<目星>のロールに成功すれば宮川が持っているものが食料や寝袋、ポーダブル電源(災害時などに使えるバッテリー)、ノートパソコンである事がわかるだろう。

【娯楽施設-フライハウスガルテン】
門が破壊されており、立ち入り禁止の看板が立てかけられているが中に入るのは容易である。
中に入ればドイツの町並みをイメージして作られた通りや建築物が、寂れた状態で探索者を迎えてくれる事だろう。人の気配はないがたまに探索者の目の前の道を猫が通り過ぎていった。
どの建物も入口が封鎖されているが施設内に設けられたホテルだけが中に入る事が出来る。
ホールに入れば中は昼だというのに暗く、ライトをつけない限り<目星>などの技能にマイナス20される。フロントの近くにはこのホテル内の見取り図があり部屋の位置などを把握する事ができた。
二階へと行く階段は瓦礫で塞がれており、一階部分で入れそうな部屋を探しても2部屋程しかない事がわかる。

〈調べられる部屋〉
室内プール/104号室/106号室

◎室内プール
ホールから繋がる大きな両開きの扉の先に続くのはどうやら室内プールのようだ。扉の取っ手部分には鎖が巻き付けられており南京錠がかかっている。
◆<聞き耳>のロールに成功すると、中で何かが身体を引きずりながら動き回っている事、更に扉だけでは塞ぎきれない腐臭のようにも感じる、饐えた臭いが鼻を付く事だろう。この扉の奥には明らかに何かがいると言う事がわかる。
◆さらに<アイデア>にて部屋の奥にいる何かを刺激しない方がいいだろうと感じる。

◎104号室
鍵はかかっておらず開ける事が出来る。部屋の中には物書き机と粗末なベッドと、床にはコンビニ袋に入ったゴミや空になった猫の餌である缶詰を確認する事ができる。電気に関してはどうやらポータブル電源を使っているようだ。
◆ポータブル電源に対して<電気修理>を行う事により、導線を繋ぎ電気の通じた導線、100ボルトとして扱う事ができる。
◆<隠す>の技能に成功すると、ここにも隠しカメラがある事がわかる。

◇物書き机の上
ホテルに備え付けられていたものだろうか、古びた物書き机の上にはノートパソコンが置かれている。電源などを確認すれば問題なく起動する。
<コンピューター>のロールに成功すれば時間をかけずに必要な情報を集める事が出来るだろう。
探索者がしばらくパソコンに向かい、気になるデータを2つ見付ける事が出来る。1つ目はそれと同じフォルダに入っている『無名』と言うファイル名のワードデータ、2つ目は『待てる暗黒との会話』と言う翻訳されたと思しきファイルである。

『無名のファイル』
10/18
家にいると落ち着かない。家にいるよりここが落ち着く。
家はどうしても見られている気がしてならない。
ここを隠れ家にする。
10/19
どうしてか106号室の扉があかなくなってしまった。
穴から覗いてみても、穴が小さすぎて中の様子を上手く探る事ができない。この建物は古いから何かがつっかえてるのかもしれない。
これでは『待てる暗黒との会話』が行えない。あのUSBも自宅と部屋の鍵も中にあるのに。
…仕方がない、ここからは自分一人でやるしかない。きっとこれも神が望んだことだ。呪文は確り記憶しているし、ファイルも少しばかり残っている。
10/20
明日、「R」の所に行って話を聞いてみよう。そして「R」の知っている呪文を教えてもらおう。
自分がそれを望んでいる。神がそれを望んでいる。
10/21
「R」は入院したらしい。
それにしても、ここでも嫌な視線を感じるようになった。
護衛になるかと思ってPDFに書かれていた従属の呪文を使ってみた。書かれていた通りにやってみれば腐った沼の中から巨大な蛙が姿を現した。名前は、ナガアエ。
あまりにも凶悪なその見た目にこのホテル内のプールに隠すことにした。
10/22
ニュースのバラバラ死体はきっとナガアエがやった。
明日、「R」が退院する。行かなければ。


『待てる暗黒との会話』
この呪文は準備された特別な部屋か場所を必要とする。そこでは全ての家具類が塗料やすすで黒く塗られていなければならない。窓や戸から全く光が入らないように塞いでおかなければならない。
呪文の使い手は部屋の中心に座り、呪文を詠唱する。
呪文をかけたなら使い手は数時間静かに座り暗闇を凝視する。しばらくすれば部屋の中心にシアエガの巨大な緑の目が宙に浮いて現れる。
使い手は神との会話を許され、何か助言をされるかもしれない。
コスト:正気度ポイント1d6と1POWを永久に失う。
成功率:POWを失った後のPOW×5の半分の値(端数切り上げ)である。
呪文:《待てる暗黒との会話》
<クトゥルフ神話>に+1%


◇ベッド
粗末なベッドの上には寝袋が置かれており、その周囲には何冊か本が積み重ねられている。本の種類はオカルトに関する本が多いが、コンビニで売られているものや英語で書かれた本など種類は様々である。
◆<目星>のロールを行えば寝袋から南京錠の鍵を見付ける事が出来る。(屋内プールの鎖についた南京錠のものである)

◇ゴミ袋
開けてみるとおにぎりの包み紙やペットボトルなどのゴミが雑多に詰め込まれているのがわかる。
◆<目星>のロールを行えばここにも六芒星の中心に『飽きた』と書かれている紙や眼がたくさん描かれた紙が捨てられている事がわかる。
◆<芸術:掃除>や<アイデア>の半分に成功するならばゴミの量などからここに出入りしている人物は1週間近くここに潜んでいたと言う事がわかる。

◎106号室
鍵がかかっている様子がないのに開かない扉。
◆<目星>のロールで探索者たちの足元に壁にくっつけるようにして置かれた箱がある事に気が付く。それを退かすと小さな穴が空いており、向こうには暗い空間が広がっている。ライトを当てても上手く中を照らす事ができない。
<アイデア>のロールなどでこの部屋が塗料か何かで真っ黒に塗りつぶされていると言う事がわかる。<0/1d3>の正気度を喪失する。※宮川の家にて部屋を見ている場合はこの正気度喪失は発生しない。

■簡易キャトルフについて
探索者は猫を使役する事によってこの部屋の中を探索する事が出来る。フライハウスガルテンに住んでいる猫たちはどれも雑種であるが、今回は使役された猫であるのでドア開けなどの『トリック』は使用できない。
・SEN値(人間で言うSAN値)や<目星>や<聞き耳>などの探索技能は猫を使役している探索者の値を使う。猫のSENが2減った場合、探索者のSANも2減る事となる。
・猫は道具を一つしか持つことができない。

《猫に命令する》
コスト:《動物に命令する》と同じで1マジックポイントを消費する。呪文をかけられた猫は使い手の簡単な命令に従う事となる。

【簡易キャトルフ!】
探索者たちが《猫に命令する》の呪文で好きな猫を使役した所から探索者たちの視点は猫となる。余裕があれば猫らしく探索をする事。
探索猫たちが壁の穴から部屋の中へと入り込めば、そこは真っ黒に塗りつぶされた部屋だ。塗料の臭いがツンとあなたたちの鼻腔に突き刺さる。猫であるあなたたちは光がなくとも部屋の中を見渡す事が出来る事だろう。
部屋の中には黒く塗りつぶされた棚、黒く塗りつぶされた椅子、黒く塗りつぶされたベッドの枠組み、瓦礫が積り開かなくなった扉がある事がわかる。

◇瓦礫が積もった扉
何かの拍子に瓦礫が積もり、外側からも内側からも開かなくなった扉。
◆<目星>のロールに成功すると折りたたまれた紙を見付ける事が出来る。

◇黒く塗りつぶされた棚
一見何かが収められている様子はないように見える。
◆<目星>のロールに成功すると、黒い小さな箱を見付ける事が出来る。他にも黒い布に包まれるようにして大量の鍵のついた鍵束も発見する。
箱を開けてみるには探索者の<DEX>×5の値で判定を行う。成功した場合中からは黒いUSBが見つかる。

◇黒く塗りつぶされたベッド
マットは置かれておらず、他にも上に何かが乗っている事はない。
あなたがふと、ベッドの下を覗いてみると緑の目がこちらを見ていた。じっとあなたを見つめる目は不気味に揺らめきニタリと笑ったかと思うとフッと姿を消す。そして今度は部屋中にその目が現れた。
そのどれもがあなたたちを見詰めており、どこからか冒涜的な笑い声が聞こえる。闇が蠢くような感覚がビリビリとあなたたちの毛を逆立てる。この異様な体験をしたあなたたちは<1/1d4>のSENを喪失する。

思い思いの道具を口に咥え、パニック状態で穴から飛び出してくる猫たち。その猫の様子を見て、明らかに何か良くないものを目撃したと言う事を探索者たちは直感する。SENチェックで減った値と同じ値をSANからマイナスする事。
フライハウスガルテンから出るまで猫は探索者たちに付いてくる事だろう。勿論連れて帰っても構わない。

●折りたたまれた紙
10241055→Düsseldorf
ドゥンケルヒューゲルがどこにあるのか自分は知っている

と走り書きで書かれている。
◆<アイデア>のロールに成功すると『10241055』が日付と時間なのではないかと気付く事が出来るだろう。
更にそれについて調べてみるならば10時55分は成田国際空港からドイツ・デュッセルドルフへの飛行機が出ている事がわかる。

●鍵束
少なくとも7種類の鍵が付いている鍵束。中にはタグも付いており『9859』と書かれている。
<アイデア>に成功すると宮川晶の納戸の鍵を思い出すことだろう。

●USB
ノートパソコンに接続すれば中に入ったデータを確認することが出来る。
USBの中に入ったPDFファイル『Von denen Verdammten.pdf』

□魔道書データ□
『Von denen Verdammten-呪われし者たちより』
書かれている言語:<ドイツ語>
正気度喪失<1d6/2d6>
<クトゥルフ神話>に+10%
研究し解読するために平均44週間/斜め読みに80時間
呪文:《暗黒の子らの招致/ナガアエの召喚/従属》《たおれし者の復活/ゾンビの創造》《墓の子らへの到達/食屍鬼との接触》《待てる暗黒の解放/シアエガの招来/退散》《精神吸収/精神力吸引》《待てる暗黒との会話/シアエガとの接触》

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【噛ませ犬の登場】
探索を終えた後、探索者はホールの方に人の気配を感じる。そちらの方を見やれば昨日の夜美術館で会った人物と同じ格好をした男らが4人こちらへと歩いてくるのがわかった。その内の一人は服装と装備からリーダーであると言う事が想像できる。男たちは持っていた拳銃を探索者たちに向けると、リーダーらしき男が前に出て「やあ諸君、破滅歩んでる?」と笑う。「初めまして俺はコードネーム:噛ませ犬、早速なんだけど、質問を2、3個よろしいかな?先ず一つ、宮川くんはどこに行ったのかな?」と問いかけてくる。
探索者が「何故宮川晶を探しているのか」と聞けば「質問に質問で返すんじゃないよお、でもまあいいかな、ボスが探してるから」と答えるだろうし、探索者が協力的ではない態度ならば「じゃあ死んでもらうか」と返す事だろう。とにもかくにも、話は通じなさそうである。

【ナガアエの登場】
探索者が戦闘の姿勢をとったその瞬間、鈍い大きな音がした。その場にいる全員が音の鳴った方を見る事だろう。それはあの屋内プールの扉からだ。何か大きなものが何度も何度もぶつかって扉を破壊しようとしているのがわかる。扉を固定している鎖が激しく音を立てながら振動し、警戒したのか噛ませ犬がそちらに身体を向けた。
その時だ。バキリバキリと扉が変形し、扉を押し倒すようにしてその奥の部屋から現れたのは巨大な怪物だ。内臓の透けた半透明の身体のヒキガエルのような生き物は猛烈な腐敗臭を漂わせて探索者や噛ませ犬たちの方を肥大した大きな眼で見ている。二つに裂けた赤い舌が口からだらりと垂れ下がり、邪悪な姿をしたその怪物は4本のかぎ爪を振り上げると噛ませ犬と共にいた男3人に振るった。男たちの身体は熱したナイフでバターを裂くかのように呆気なく引き裂かれ、真っ赤な血が噴き出す。断末魔をあげる者もいれば、あげる前に息絶える者もいる。そしてナガアエはその大きな口でまだ殺さず掴んでいた男を貪り食らえばぼきりぼきりと骨が砕ける音がホールに響きそのまま男は丸呑みにされる。
1人残された噛ませ犬は咄嗟にナガアエに向かって弾を3発放つが、ナガアエは肉体に弾が食い込んだ反射からか、残った1本のかぎ爪で噛ませ犬の右手首を拳銃ごと破壊した。噛ませ犬が唸るように悲鳴をあげる。
このおぞましい程までに邪悪な怪物ナガアエと、そのナガアエに無残に引き裂かれた男たちの惨たらしい死に様を目撃した探索者たちは<1d4/1d8+1>の正気度を喪失する。
ナガアエの身体に空いた穴からは不快な臭いを放つ体液が流れ出る。噛ませ犬は止血のために脇を押さえながらナガアエと距離をとる事だろう。額には脂汗が浮かんでおり、辛うじて意識を保っている事がわかる。

▽探索者には思い思いの方法でこの怪物を退治してもらおうと思う。
例としてあげるなら猫を使役し「ナガアエを攪乱(かくらん)させろ」と命令したり、電源ポータブルを使った電撃攻撃も有効だろう。周囲には噛ませ犬と共にいた男たちが持っていた拳銃が落ちている。
とにもかくにもどんな手を使ってでも探索者はナガアエを倒すことをオススメする。
尚、噛ませ犬が放った弾丸によりナガアエは3d10(装甲2ポイント分をそれぞれ引いた)ダメージを受けている。そして大抵はDEXの高い噛ませ犬が先に動くので、彼はナガアエとの戦闘を探索者に任せるために銃火器の心得がありそうな人物に持っていたもう一つの拳銃をホルスターから取り出し、投げ渡す事だろう。
噛ませ犬は探索者が戦っている隙に逃げようと考えていたが、出血が酷いため、戦闘終了時までその場から動けないでいる。

KP情報:ナガアエの攻撃は非常に強力なため、PLの案によってナガアエの攻撃に補正をかけていくのもいいだろう。目を潰させたならナガアエはがむしゃらにかぎ爪を振るうだろうし、猫が攪乱させているのであれば、狙いは動きの速いそちらへとうつる。攻撃方法などについてはマレウスやKPCを参考にするとよい。

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!武器データ!-サプリ2010参考
拾える拳銃:SIG ザウエルP226オートマチック
基本命中率:20%
ダメージ:1d10
基本射程:20m
1ラウンドの攻撃回数:3
装弾数:15
耐久力:8
故障ナンバー:98
弾薬:9mm×19

電気の通じた導線:100ボルト
基本名中:<電気修理>
ダメージ:1d8+スタン(ナガアエの場合は1R動きを止める)
基本射程:タッチ
1ラウンドの攻撃回数:1
装弾数:-
耐久力:6、ヒューズ
故障ナンバー:-
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!エネミーデータ!
ナガアエ-シアエガの使用人(マレウス P.85またはKPC P.90)
STR:33  DEX:7  INT:16 アイデア:80
CON:26  APP:--  POW:11 幸 運:--
SIZ:20  SAN:--  EDU:-- 知 識:--
H P:23  M P:11  ダメージボーナス:+2d6
装甲:丈夫な半透明の皮膚による2ポイント/電気は装甲を貫通する
呪文:なし
武器:かぎ爪(×4):60% ダメージ1d6+db
噛み付き:40% ダメージ:1d8+毒(POT13)
技能:物音を聞く:60% 静かに這い寄る:70% 犠牲者のにおいをかぎつける:80%
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【ナガアエの討伐】
倒されたナガアエは大きな音を立て地面へと崩れ落ちる。ナガアエの死骸は数分の内に腐食性の黒い粘着物の固まりになる。そしてその固まりの臭いは嗅ぐだけで吐き気を催したり、触れると皮膚に水膨れができるため、近付くのは大変危険である。

◎屋内プール
この部屋には腐臭が篭っており、異臭に慣れていない人物は<CON>×5のロールが発生する。失敗した場合はその場で吐いてしまう事だろう。中に入って調べてみてもプールに張られていた水はヘドロやゴミで汚れている事くらいしかわからない。

KP情報:プールの下には壊れて穴の広がった排水口があり、ナガアエはここを通り下水へ移動して河川敷へと出た。その河川敷にてホームレスを惨殺。そのまま来たルートを辿って屋内プールへと戻ってきました。
脱走理由としてはナガアエは主人の命令がなくともただ喜びのために生き物を殺すためです。

【噛ませ犬への尋問】
手負いの彼は痛みで動く事が出来ず探索者を非常に警戒する。このまま放置すれば失血死するかもしれないが生かすも殺すも探索者次第だ。
噛ませ犬の傷を手当てするのであれば、確りと彼に言葉をかけ、警戒を解かせる必要がある。
手当てをしておらずとも彼は弱りきっているため尋問を行えば少しばかりの情報を教えてくれる。
◆<心理学>を行ったとしても彼がバカ正直である事しかわからない。

・ボスについて
「それだけは教えられない」

・教団について
「俺たちは眼のような姿をした神を崇拝しているんだよ」
「その神は破滅を好むって、ボスが」
「俺はその教団の兵士」

・典良誓信について
噛ませ犬は少し嫌そうな表情をし、「あいつは、…死んだのか?」と聞いてくる。死んだ事を告げるのならば「…そうか、…」と複雑そうな表情をする事だろう。

・噛ませ犬の名前について
「俺か?俺はね、咬間瀬犬太郎(かませけんたろう)」

【病院】
時刻は16時を回った頃。探索者たちは「R」もとい璃野和彩夢の退院の事を思い出す。怪我人がいたり、咬間瀬を手当てしているのであれば一緒に病院に連れて行くのも良いだろう。
病院に行き受付にて「璃野和彩夢」の名前を告げた上で事情を話せば探索者たちは彼女の病室へと通される。そこには彼女、彩夢がいた。全身を包帯で巻かれ点滴を打たれている。彩夢は病室に入ってきた探索者に気が付くと、赤く爛れた肉に囲まれたその眼を大きく見開き「お母さ、…。あっ、璃野和さんが来るかと思っていたのに」と漏らした。これが、探索者の初めて聞く彼女自身の『声』であろう。
そして探索者は彼女にここへ来た理由や璃野和味香の死を伝えなければならないが、何も告げなかった場合彩夢は何も教えてくれない探索者たちに疑念を抱くかも知れない。

■彩夢に全てを話す。
彩夢は探索者の話を最後まで黙って聴き終えれば悲しそうに「……お母さん、」と呟いて顔を伏せる。
両手で顔を覆い、しばらくの間を置いて彩夢はゆっくりと顔をあげる。「…私に、出来る事はありますか?私の仇討ちは、あなたたちに協力する事だと思うんです」と、はっきりとした声でそう言った。
彩夢にSDカードを隠した場所を聞けば『黒一色の絵』であると答える。彼女は物をたくさん貼り付けたその中にSDカードを隠したらしい。そして彩夢は探索者たちに退院の付き添いを提案することだろう。

KP情報:宮川晶は探索者たちより前に病院へと訪れているが、璃野和彩夢の本名を知らなかったため病室へ迎えに行くことはできなかった。この情報は受付などで開示しても良い。

【SDカードの行方-美術館】
SDカードの回収のためにるりのわアイ美術館へと戻ってくると璃野和たちの遺体が綺麗に片付けられているのがわかり、倉庫や展示室とどこを探しても遺体はない。それどころか美術館はしばらく休館と手配されており、人が寄り付かなくなっている。その出来事に探索者たちは嵐の前の静けさにも似たものを感じるだろう。

◇大きな絵画-黒一色の絵
◆あの展示室に残された彩夢の絵画たち、その一つの黒一色の絵の中に探索者は<隠す>で目当てのSDカード見付ける事ができる。接着している力はとても弱いため爪で剥がせば簡単にとれてしまう事だろう。中を確認すると『昇る光』が少々つたなく翻訳された文章を読む事ができ、中には様々なクトゥグアに関する呪文が書かれている事がわかる。おそらくこれらが宮川や典良たちの探していたものだろう。
そして既に日は落ちており、彩夢は探索者たちに「…すみません、私、一人ではできる事が少なくて…、今夜だけ…皆さんと一緒にいてもよろしいでしょうか、…この美術館には宿泊できる場所もありますから」と言う。
今夜探索者たちは美術館にて泊まる事となるだろう。レストランなどもあるので食材は十分にあるため料理が得意な探索者は存分に腕を振るって言ってくれても構わない。もし彩夢に好きな食べ物を聞くなら「クリームスープ」と答える。十分に冷ましてからそっと飲んでいく事だろう。
新宮は呑気に探索者や彩夢の写真を撮って回り、時折彩夢と親しげに話たりしている事だろう。

───2日目が終了する。

□魔道書データ□
『昇る光』
書かれている言語:<日本語>
正気度喪失<1/1d6>
<クトゥルフ神話>に+3%
研究し解読するために平均2週間/斜め読みに3時間
斜め読みをした場合は正気度を1減少させ、《昇る光の招来/クトゥグアの招来/退散》のみ習得する事が出来る。
※これは魔道書と理解して読むため、読んだ場合は正気度喪失が発生する。
呪文:《昇る光の招来/クトゥグアの招来/退散》《ケラビムの援助/炎の精の召喚/従属》《トーチに魔力を付与する》《炎の舞踊》

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10月24日(最終日)

【姿を現した宮川晶】

KP情報:時刻は09:00を回った頃、探索者たちが朝食などを済ませ出発の準備を終えたタイミングが良いだろう。
09:00を回る理由としては彩夢である。彼女は一人では何も出来ないのだ。朝起きればベッドが膿と血にまみれているだろうし、包帯も清潔なものに変えなければいけない。素人(中には医者もいるかもしれないが)である探索者や新宮は協力して彩夢の朝の準備を整えてあげる事となる。

突如として部屋の扉が開かれたかと思えば、そこに息を切らした宮川晶が入ってくる。彼はひどく焦燥(しょうそう)した様子だ。彼は探索者たちを無視し彩夢へと縋る。
「いた…!「R」、君の、君の知識が必要なんだ…!神が、シアエガがそれを望んでいるんだ!!太陽の克服を教えてくれないか…!」宮川に対し、彩夢は「そんなもの知らない…!」と返す。すると宮川は「そ、そんな、そんなそんな…なんでわかってくれないんだよ!心から信仰する神を、この世に解き放ちたい、神は解放されたい、神はそう言っているのに!!俺と君は一緒じゃないか!」そう叫ぶ。
彩夢が言い返そうとした瞬間彼女は大きく咳き込み始める。苦しそうに呼吸をしながら胸を押さえる。そんな彼女の身体を揺さぶりながら宮川は「そうだろ?ねえ!そうだって言ってよ!」と叫んだ。咳き込んでいるため彩夢はそれに答えることができない。探索者が宮川を止めようとするなら、最終戦闘への描写と入る。

【最終決戦-破滅を歩むものたち】
「そこまでよ!」と声がし、その場に現れたのは黒いパーカーを目深に被った人物だった。
その人物は宮川を庇うようにして探索者の前に立ちはだかると宮川を見つめ「逃げて晶、あなたなら太陽の事なんて気にしなくても神を解放できるわ」と言う。探索者たちはその人物に見覚えがあった。
彼女は蛙沼仁巳だ。しかし彼女を見る宮川の様子は明らかに困惑の色が隠せていない。「き、きみ、だ、誰…!?」と宮川が問うと彼女は「説明は後よ、はやく、シアエガを解放しに行って、あなたの夢が…私たちの希望よ…!!」と開かれた扉を指さした。それに対し宮川は理解したのかこくりと頷き、展示室の扉から出て行ってしまう。
探索者がそれを追おうとすると扉からローブ姿の人物たちが入って来て行く手を阻まれてしまう。
囲まれた探索者たちに対し彼女は「なんて、どう?ヒロインっぽかった?初めまして…いえ、昨日話しましたわね、私は…ああ、あなたたちには偽名を名乗っていましたね。私、本当の名前は葉芽都仁巳(はがとひとみ)って言うんです。『破滅を歩むものたち』のボスをやっています、ふふふっ」と歪んだ笑みを見せた。

『破滅を歩むものたち』との戦闘ラウンドとなる。
※戦闘中での処理やイベントは以下の5つであるがあくまで例であるためKPは自分のやりやすいように戦闘を組んでくれて構わない。

★敵エネミーの行動について
探索者の目の前にいる敵は葉芽都と5人の男たちです。男たちは葉芽都を守るように命令されており、葉芽都に危害が及ぶと判断した場合、彼らは葉芽都を庇いに入ります。
1R目、葉芽都は動かず、遮蔽物であるソファに座って探索者の出方を伺っています。

★彩夢について
彼女は一人では行動出来ない。戦闘に巻き込ませないためには誰か一人が自分の出番を使って遮蔽物の後ろに移動させる必要があるだろう。

★遮蔽物について(どどんとふでセッションしている場合、マスを使用すると良い)
探索者は弾丸から<回避>または<幸運>または<DEX×5>のロールを行う事によって2マス以内(斜めの場合は1マス)の遮蔽物の後ろへと隠れ<拳銃>の攻撃をやり過ごす事ができます。遮蔽物の後ろにいる限りは<拳銃>などの一直線を描く飛び道具は使用できたとしても先ず当たりません。しかし、放物線を描くもの<投擲>などでは相手への攻撃が可能です。
探索者、NPC共に自分の手番に3マスの移動または2~1マスの移動と行動が行えます。(斜め移動可能)
<拳銃>は一直線のライン上にいる相手しか狙えませんが、近距離武器であるならばコマが隣同士・または重なっていたら攻撃が可能です。

★葉芽都の行動
1R目が終わった後に葉芽都はため息をつきソファから立ち上がる。そして胸に手を当てると何かを唱え始めた。それは吼えるような、号泣のような歌だった。その瞬間、探索者たちは身体に熱を感じる。肌が焼けるように熱いのだ。対象となっている人物(新宮や彩夢も含む)は耐久力をマイナス1する事。
《ハスターの歌》によって探索者たちは毎ラウンドダメージを受ける事となる。この呪文は火傷患者である彩夢には大きな痛手だ。探索者たちは何らかの方法で葉芽都の呪文を止めなければならないだろう。

★乱入者
葉芽都が呪文を唱え始めたそのラウンドにて咬間瀬が乱入してくる。その乱入の仕方には彼に手当てをしているかで大きく違ってくる。

<咬間瀬を手当てをしていた場合>
葉芽都が《ハスターの歌》を使用して探索者にダメージが入った瞬間、葉芽都の頭上から奇襲をかけ、呪文を阻止してくれる。今の呪文の危険性を探索者たちに教え、共に戦ってくれる事だろう。
咬間瀬の立ち回りについてはKPに委ねる。

<咬間瀬手当てをしていない場合>
扉から入ってきた彼に葉芽都は「噛ませ犬!こいつらを殺しなさい!」と命令するが咬間瀬は戸惑っているようだった。その様子に葉芽都が焦りを見せる。
◆<心理学>にて咬間瀬が葉芽都の命令を聞くか迷っていると言う事がわかるだろう。
咬間瀬がどちら側につくかは彼次第であるが、<言いくるめ>や<説得>を行えば探索者たちに協力してくれるかもしれない。手負いである咬間瀬のHPは7、右手を失っているため技能値のマイナスの補正が掛かる。

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!エネミーデータ!
葉芽都仁巳-オスイェグの狂信者
STR:10  DEX:15  INT:18 アイデア:90
CON:8  APP:19  POW:20 幸 運:99
SIZ:11  SAN:0  EDU:15 知 識:75
H P:10  M P:17  ダメージボーナス:±0
呪文:《支配》《手足の萎縮》《ハスターの歌》《肉体の保護》《オスイェグの加護》※オリジナル
武器:なし
技能:心理学:99% 芸術(誑かす):99% 芸術(甘える):99% 芸術(洗脳):99% 芸術(演技):99% クトゥルフ神話技能:50%

男の基本データ-オスイェグの狂信者
STR:13  DEX:13  INT:13 アイデア:65
CON:13  APP:13  POW:13 幸 運:65
SIZ:13  SAN:0  EDU:15 知 識:75
H P:13  M P:13  ダメージボーナス:+1d4
装甲:1ポイントの厚手のジャケット
呪文:なし
武器:回避:40% 拳銃:30% ナイフ:60% ブラックジャック:60% 武道:40% こぶし:70%
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【戦闘終了-交通機関の麻痺】
葉芽都以外の狂信者を無力化させた後、その場に咬間瀬がいた場合彼はナイフで葉芽都を殺そうとする。探索者たちが彼を止めようとすると「こいつは死んで当然だ!死んだ方がいいんだ!」と反抗する。
彼女を殺すか殺さないかは探索者たちに委ねられるが、どっちにしろ咬間瀬は彼女を殺してしまう事だろう。しかし、これは咬間瀬が生きてこの場にいた場合のみである。
咬間瀬を止めた場合、彼女は可笑しそうに笑いながら、咬間瀬を止めなかった場合は喉をかき切られるため弱々しく、それでも笑いながら。「オスイェグ、我に、力を」と唱えるのだった。

その瞬間、美術館が大きく揺れ始める。その揺れに探索者たちは上手く立っている事すらできない。
葉芽都は「これで晶は追えないわ…ふふ、ざまあみなさい…晶は私だけのものだもの…双眼を開くの、それで私たちは一緒になれるわ…世界の終焉と共に、シアエガ…オスイェグ…眼は、2つあってこそよね…」それだけを言い残し息絶えた。

◆<アイディア>などに成功すれば、これによって道路は渋滞し、電車は止まったのでは?と言う事に気が付く。

KP情報:これは局地的に地震を起こす事ができるオスイェグの力を借りた呪文のためである。大きな揺れは数分続いた後ゆっくりと収まっていく。

※この時咬間瀬がこの場におらず、葉芽都を殺さない選択をしていた場合オスイェグの呪文によって起こされた地震の中、まともに立っていられない探索者たちの脇をすり抜け葉芽都は逃亡をはかる事だろう。
その場合は適当なロールを行わせて彼女を追う事も可能だ。彼女もまたオスイェグと言う邪神の復活を望んでおり、ここで取り逃がした場合、後に何が起こるかは明白である。

【宮川晶を追いかけろ!】
探索者たちは逃げた宮川晶を追いかけなければならない。彼の向かう先は成田国際空港である。現在時刻は10時10分、台東区範囲からだと成田国際空港までは電車や車を使っても1時間以上はかかる。しかも葉芽都の起こした地震によってこの周辺の交通機関はどうやら完全にストップしている。復旧の目処を調べても早くても1時間後とされている。ドイツ行きの飛行機が飛び立てば、宮川晶を止める方法はないだろう。
絶体絶命、そんな雰囲気の中で彩夢が探索者たちに声をかけた。「私が、みなさんをお運びします…!」それは意を決したような、力強い言葉だった。そして彼女は何かが描かれた一枚の紙を取り出すとそれを床へと置く。見てみるならそれが白抜きの多いQRコードである事がわかるだろう。そして探索者たちは直感的にそれがまだ『未完成』であると気が付く。
彩夢は言う「これは屋上への鍵になっているんです。でもまだ未完成で、今、手先が震えてて。…だから、手伝ってください、鍵を完成させるのを…!」
◆<芸術:絵画>または<DEX×5>のロールに成功する事によって時間をかけずに探索者はQRコードを完成させる事ができる。

■探索者たちは一枚の紙に向かい、彩夢の指示に従ってQRコードを完成させていく。今思えば自分たちを引き合わせたのも白と黒で作られた幾何学模様、QRコードであった。互いの間に何か奇妙な繋がりを感じるかもしれない。
QRコードが完成すると彩夢は「屋上へ連れて行ってください」という。エレベーター、または抱えて屋上へ向かえばそこには大きな扉がある。扉の横には何かをスキャンする機械が設置されていた。どうやらここにQRコードをスキャンさせる事によってロックが解除されるようだ。
完成させたQRコードをスキャンに通せば機械音がしロックが外れて扉が自動的に開き始めた。屋上はヘリポートとなっており、そこには一機のヘリコプターが置かれている。彩夢は自分を操縦席に座らせるようにお願いをした。彼女に対しヘリコプターの操縦ができるのかと聞けば、彼女は「この火傷の原因です…絶対に失敗しませんから、私を信じてください」と力強く言う。
探索者が彼女を信じてヘリコプターへと乗れば新宮は「定員オーバーだろ、こっちの事は任せてくれ」と探索者たちを送り出す。
◆この時<操縦:ヘリコプター>を持っている探索者は彩夢をサポートする事ができるだろう。
彼女が不自由な身体を必死に動かし、慣れた手つきで機械を操作した後、操縦桿(そうじゅうかん)を握り締める。大きく深呼吸した後に「出発します、向かうは成田空港…!」と操縦桿を操作すれば機体は持ち上がり、大空へと飛び立った。
窓から外を見てみれば、渋滞した道や止まった電車、街や人々が小さく見える事だろう。もし探索者が航空法を気にするようなら「飛ばした私の責任ですから、あいつら全身火傷が操縦してたってなったらどうでるんでしょうね!」と言い返す。

そして20分も経たない内にヘリコプターは成田空港内のヘリポーチへと着地した。彩夢は緊張の糸が切れたのか、その場にぐったりとし、そして「行ってください…!そして、戻ってきてはいけません、乗っていたのは私一人って言うので。…また会いましょう…!」と言う。

【宮川晶の確保】
探索者たちはドイツへと向かう飛行機の乗り場、そして大学生が集まっている場所を探さなければならない。
◆<幸運>や<ナビゲート>、よく空港を利用する人は<アイデア>や<知識>と好きな方法で探すといいだろう。
そして探索者たちはたくさんの人の中で宮川晶を発見する。彼は大荷物を持ち、どこか落ち着かない様子なのが見て取れる。声をかければ彼は逃げることを試み、捕まれば暴れ、必死に抵抗しシアエガ解放への願いを叫ぶ。そしてシアエガを復活される呪文を唱え始めるが、彼がそれを日本で唱えてもそれは全く意味はなさずただただ虚しく響くだけだった。

【エンディング分岐・報酬】
□エンディング-A/ART
条件-宮川晶を止める・ナガアエを倒す・葉芽都を殺す
シアエガ、そしてオスイェグの復活は阻止され、町に潜んでいたナガアエも倒された事により探索者たちは時間は掛かるかもしれないが無事に日常へと戻る事ができる事だろう。
璃野和彩夢は航空法違反により罰を受けたようだが、探索者たちのスマートフォンには「大丈夫!」と彩夢本人からメッセージが届いていた。
探索者たちはふと空を見上げる。そこには燦々(さんさん)と秋の空に浮かぶ太陽があった。2人の人間による邪神の復活は自分たちの手によって食い止められ、今この空があるのだと感じる。
そしてそれからまた数日後、探索者たちの元に1通の手紙が届いた。差出人は新宮からだ。手紙の中には写真が2枚入っており、あの日他の探索者や彩夢と撮った写真が入っていた。そしてもう1枚は新宮と笑顔の仮面をつけた彩夢が写った写真だ。

=====
拝啓 秋空は深く澄み渡り 穏やかな日々が続いておりますがお元気にしていますか。
さて、この度は皆さまに写真を送るため、そしてお伝えしたいことがありこうして手紙をしたためました。
僕は身寄りのない彩夢を引き取って彼女の才能を守っていこうと決めました。彼女の描く作品の数々をもっと世間に知って欲しいと僕は思います。彩夢も今度はたくさんの人に向けて絵を描きたいと言っていました。
またどこかで展示会を開く際は是非お越し下さい。彩夢もまたあなたたちに会いたいと言っています。
彩夢と彼女の才能、そして力強く光彩を放つ作品たちを僕は守っていこうと思います。
残り少ない芸術の秋をお互い満喫致しましょう。

敬具 新宮若木
=====

町中に貼られたQRコードから始まった奇妙な出来事は写真に写った2人の笑顔で終了する。
これにて『開いたのは光彩』エンド、お疲れ様でした!

-報酬-
SAN値:2d8の回復
<芸術:絵画>に+2d10の成長
新宮若木の生存:<隠す>に+1d10
璃野和彩夢の生存:<操縦:ヘリコプター>に+1d10または<芸術:絵画>に+1d10
咬間瀬犬太郎の生存:<ナイフ>に+1d10
クトゥルフ神話技能:+5%
呪文:《動物に命令する》など

□エンディング-B/BAD
条件-宮川晶を止める・葉芽都仁巳を殺す・ナガアエから逃走する
町には従属の呪文がかけられたナガアエが潜み、町のバラバラ殺人事件はひっそりと続いていく。

-報酬-
SAN値:2d6の回復

□エンディング-C/CRUSH
条件-宮川晶を止める・葉芽都仁巳を逃がす・ナガアエから逃走する
町にはナガアエが潜み、そしてオスイェグ復活を望む教団が今もひっそりと活動を続けている。オスイェグの復活もきっと近い事だろう。

-報酬-
SAN値:2d4の回復

□エンディング-D/DANGER
条件-宮川晶を止められなかった・葉芽都仁巳を殺す・ナガアエを倒す
宮川晶は精神力吸収や他生徒を言いくるめ、ドイツにてシアエガの復活のため呪文を唱える。長年続いていた儀式は既になく、シアエガを封じ込めていると言うヴァエヤンすらどうなっているかわからない。満月の夜にただ呪文を唱えるだけどなったドゥンケルヒューゲルにて宮川晶は唱えるのであった。
世界は復活したシアエガによって半壊されるも現れたクトゥグアによって追い払われる。
<1d100+1d20>の正気度を喪失する。

-報酬-
なし

□エンディング-E/EYES
条件-宮川晶、そして葉芽都仁巳を止められなかった。
世界はシアエガとオスイェグにより崩壊し、焼け野原となる。クトゥグアが現れるも二体の邪神には歯が立たないのか、呆気なく退散させられてしまう。
破壊された土地にて残された探索者は<2d100>の正気度を喪失する。空に『開いたのは虹彩』エンド。お疲れ様でした。

-報酬-
なし
しかし、復活したシアエガとオスイェグを再び封印するシナリオへと続くかもしれない。

-補足欄-
・トライバル…主に黒一色で描かれる模様である。近年ではよくタトゥーデザインなどに用いられる。
・呪文《うじ虫》…サプリメントアーカムのすべてに記載されている呪文。人の身体に蛆をわかすことが出来る。
・『蛙沼』と言う偽名…開けしコウサイはより前に書いた某シナリオで遊んでくれた方がニヤリとするだけのネタ。
・『昇る光』…典良たちはこの本(場合によっては翻訳されてたSDカード)を求めているようだが何故かそれを探索者たちにせびりに来ている。この魔道書はネスター書簡の複製本なのだが、その内容が文章内に巧妙に隠されており、読めたとしてもクトゥルフ神話の魔道書であると言う事を理解するのが難しいのだ。(詳しくはKPC P.34)そのため彼らはそれが魔道書だと気が付かなかったのだ。
・魔道書のデータについて…好きにしてください。持ち帰って解読するもよし、破棄するもよし。
・咬間瀬犬太郎について…彼はPCが望むのなら持ち帰りのできるNPCです。正気度0で狂信者・兵士である彼を拾うと言うのはかなりリスキーに感じるかもしれませんが…。
・葉芽都の着用している黒い星柄のパーカーについて…パーカーは黒く、夜を表しており星の位置がとても正確に描かれているため、呪文の必要条件を満たすことができている…と言う事になっています。

-主な時系列-
『』…彩夢のもの
「」…宮川のもの
【】…その他

半年程前:『事故で身体を焼かれ、クトゥグアと接触をする』
1ヶ月前:「魔道書である呪われし者たちよりを購入し、自分の正体を知る」

10月17日:探索者と宮川、新宮は「R」の展示会へ「展示会から帰った後、シアエガとの接触を行いSANのなくなった宮川が感じる視線(隠しカメラ)に耐え切れず家を出る」
10月18日:「フライハウスガルテンに荷物を運び込み、隠れ家とする。」
10月19日:【新宮が17日の写真を現像】
10月20日:『彩夢の体調が悪くなり、検査入院』「シアエガとの接触を行い、彩夢がクトゥグアを退ける呪文を知っている事を知る」
10月21日:「るりのわアイ美術館へと向かうが彩夢と会う事に失敗。隠れ家へと戻りナガアエを召喚する」【夜、ナガアエが逃げ出し、ホームレスを惨殺】
10月22日:【新宮が探索者に相談】-探索開始となる
10月23日:『彩夢の退院』
10月24日:「ドイツへと向かう」

-参考資料-
クトゥルフ神話TRPG 基本ルールブック
クトゥルフ2010
クトゥルフ2015
マレウス・モンストロルム
キーパーコンパニオン
クトゥルフフラグメント
クトゥルフカルト・ナウ
アーカムのすべて
サイレントヒル
ジョジョの奇妙な冒険
SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜
Darkness,My Name Is/エディ=C=バーティン
∟Darkness,My Name Isとはシアエガの登場する話。主人公の手によって復活したシアエガはクトゥグアによって追い払われ、その先でウボ=サスラやヨグ=ソトースに助けを乞い、そのためあってかシアエガの復活はなかった事にされてしまった…(?)と言う話。シナリオ内の「ドゥンケルヒューゲルがどこにあるのか自分は知っている」はその話を締めくくる言葉でもある。

-コメント-
開けしコウサイは<隠す>がメインテーマとなっています。
NPCたちは様々な事柄や物、気持ちを隠しており、何気ない行動や会話の中にもヒントが隠されています。探索者たちは<隠す>と言う、逆に考えるのであれば隠されたものを探す事が出来る技術で見付けて行くのです。(蛇の道は蛇とも言いますしね)
そしてこのシナリオ内ではNPCが主人公らしい立ち振る舞いをします。これはNPCたちにも背景やストーリーがあり、このシナリオの登場人物が全員主人公であると言う事を意味しています。その雰囲気に飲まれないよう、探索者たちにはこのシナリオの主人公でいてもらいたいと思います。
シナリオ名については開かれるのは彩夢の『光彩』か、シアエガやオスイェグの瞳、『虹彩』か、はたまた宮川晶と葉芽都仁巳の『交際』か、などなどと色々かかっています。

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2017-04-13 : CoCシナリオ :
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