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シナリオ名:英雄たちへの葬送歌

□公開情報
リトライ:2
初期グリット:4
チャレンジ:3
クエリー:3

難易度:普通

□PCエントリー
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▽PC1
キミは過去に大切な人を失った。
それ以来キミの心のどこかにはぽっかりと穴が空いたような感覚がある。
人が死ぬと言う事に恐怖を感じ、そして死への冒涜が許せないのだ。
大切な人は恩師、友人、家族、恋人と自由である。
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▽PC2
キミは恩師の葬儀に参列している。
そんな中、喪服姿のヴィランたちが乗り込んで来た。彼らはゼブラパーティー、キミの恩師が命を落とした原因でもある。
彼らは楽しそうに故人の棺桶を蹴り、火をつけ、香典を奪い、そして子供を連れ去った。
キミはゼブラパーティーを追わなくてはならない。
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▽PC3
キミには人を殺めてしまった過去がある。
それは事故だったかもしれないが、その人物はキミの腕の中で息絶えた。
それはキミの心に今も重くのしかかっている。それでもキミは今の今まで戦っていた。
そして、これはキミの今後を決める戦いとなる事だろう。
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ヴィラン組織:ゼブラパーティー
時間:ボイセで4時間
資料:立ち絵など
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□シナリオ概要
『葬式とは祭だ』顔面に縞模様の刺青が入った男、ゼブラパーティー:代表取締役のシマウマは言う。
ゼブラパーティーは人の死を楽しむことが生き甲斐だ。そして大量の死者を出したセカンド・カラミティの影響を大きく受けている。勿論その死を楽しむためにだ。
ゼブラパーティーはセカンド・カラミティにて死亡した英雄や旧世代たちの弔いに都心にて“生前葬”という名の大規模な爆発テロ行為を考えている。そして祭には余興が必要だと考えたシマウマは3人の、『誰かの死を深く嘆くヒーロー』を余興として迎えるのだ。
果たしてヒーローたちは死の恐怖を乗り越え、ゼブラパーティーのテロ行為を食い止める事が出来るだろうか。
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□導入フェイズ

[イベント1 虚無]

・登場キャラクター:PC1
・場所:自由

・状況1
キミは過去に大切な人を失った。今も心にはぽっかりと穴が空いたようで、拭いきれない虚無感に襲われる。
そんな中でキミは騒ぎを聞きつける。街にて喪服姿のヴィランが暴れているそうだ。
キミがその場に駆けつけると、喪服を着た少年と少女が人々を葬り、死を嘲ている。
PC1に気がついたその二人はクスクスと笑いながらこう言った。
「ああ!PC1だわ」「やっぱり来てくれた!」

・解説1
シヨンとマオは仲良く手をつなぎ、PC1と対峙する。
周囲はどこでもいいが、なるべく広く、シヨンとマオが自由に動ける環境がいいだろう。


キミはこの二人に心当たりがある。ゼブラパーティーの『シヨンとマオ』だ。子供の姿をしているが、れっきとしたヴィランである。彼らはヒソヒソと話し合い、「PC1にお知らせがありまーす!」「(PC1が失った人物)についてなんだけど…」と宣言をする。その瞬間にバクが紫の煙を吹き出しながら現れる。これによってキミはシヨンとマオ、そしてバクに近付くのが難しくなる。それもお構いなしにシヨンとマオは言う。
「ふんふん、えー、シマウマが帰ってこいって?」「しょうがないな~、それじゃ、話したかったけど」「ああ、そうそう、お知らせなんだけれどね」「失ったあの人と…もう一度会えるとしたら…どうする?」と、問いかけてくる。

・解説2
「もう一度会えるとしたら」の質問にPC1は是非応えてみて欲しい。
言葉でなくてもよい、リアクションも十分な応えである。


PC1がアクションを起こすなら彼らはバクに乗り、バクは身体から煙を吹き散らかしながら、その場から消えてしまった。

・エンドチェック
□大切な人物について決めた。
□PC1がシヨンとマオと会話し、問いに“応えた”。

[イベント2 葬儀]

・登場キャラクター:PC2
・場所:葬儀場

・状況1
キミは現在、恩師の葬儀に出ている。数日前、キミの恩師はとあるヴィラン組織に敗れその命を落としてしまった。その葬儀が今静かに行われている。

・解説1
現在は一人の勇敢な英雄の葬儀中である。GMとPLは恩師はどのような人物だったのか、どのような葬儀なのかを考えて描写してみるといいだろう。その葬儀は豪華なのか、慎ましやかなものなのか。なにはともあれ死者を弔う場である。


・状況2
誰もがその死を悼む静けさの中、一人の男が入ってきた。
黒いスーツ姿に顔面に黒い縞模様の刺青の入った男、刺青のせいで表情は読みにくいがその表情は笑っていた。
「一人の英雄の、尊い死を祝いにやってまいりました。」
その言葉に、誰もが怪訝な表情をする。それはきっとキミもだろう。
「申し遅れましたね、私の名前は“シマウマ”。『ゼブラパーティー』の代表取締役です」
彼は確かに『ゼブラパーティー』と名乗った。恩師の仇が、今目の前にいる。
「これから始まる祭事に是非余興をと思い、こちらに出向いたまでなのですが…まさか、“彼(彼女)”の葬儀だったとは、そんなにシケた面で?それじゃあ浮かばれませんねえ、故人が」
シマウマは葬儀場にいた子供を掴むと、そのまま去ろうとする。

・解説2
彼がこの場に来た目的は人質兼爆発テロ用に爆弾を括りつけるための子供を一人攫う事と、余興のためのPC2の品定めである。
PC2がシマウマに攻撃を仕掛けようとすれば、彼は不敵に笑い「その憎しみは、次に会う時まで取っておいてください。とっておきをご用意して待っていますよ、…それでは」と言ってその場に10人程の配下を残し、去っていく。
緊張感を持たせたり、PC2の気持ちを更に動かすため、この子供を恩師の子供として扱うのもいいだろう。


・エンドチェック
□恩師について決めた。
□シマウマの名を聞いた。

[イベント3 幻影]

・登場キャラクター:PC3
・場所:街中

状況1
キミは消し去りたい過去がある。今も手に残る生々しい感覚。飛び散った鮮血と、生気を失いキミを見つめる二つの瞳。事切れたその人物(以下、X)を抱きしめ、唇を噛み締める。Xを殺めたのはキミである。
ヴィランとの戦いの中で逃げ遅れ、飛び出してきたXにキミの攻撃が当たったのだ。Xはキミの腕の中で息を引き取った…その時の記憶が、やけに生々しく残っている。

・解説1
Xは一般人でも、相棒のヒーローでも構わない。どんな人物であれPC2にはXを殺してしまったと言う過去がある。しかし、この記憶は偽りのものであり、理由はゼブラパーティーに記憶を改ざんされたためである。
それは何故か?どうやらゼブラパーティーは、近々壮大な祭を起こすことを企んでいるようだ…。
この記憶はその準備に過ぎない。
GMはXの人物像に合わせて描写などを変えると良い。


状況2
そんなキミは、街中でとある人物を見た。
それは、キミの腕の中で息を引き取ったXである。Xはキミの事をじっと見たあと、背を向けて人混みへと紛れていってしまった。

解説2
ここでは追うか追わないかの選択をしてもらう。
特にルート分岐などではないが、少しだけ描写が変わってくる。

ルート①:追った場合
追った先でキミはXに出会う。Xは寂しそうな表情で「どうして、あの時…私を、殺したの?」「痛かった…痛かったよ」「ねえ、どうして?どうして?」
キミはどう答える?

ルート②:追わなかった場合・その他
ふとキミは声を聞いた。「どうして、あの時…私を、殺したの?」それはXの声だ。とても寂しそうに背後から囁いてくる。「痛かった…痛かったよ」「ねえ、どうして?どうして?」
身体が強張り、振り向く事が出来ない。
…キミはどう答える?

その問いに答えると、Xの姿、または声は消えていた。
…その代わりに銃声と、悲鳴が聞こえた。場所は近いようだ。

・エンドチェック
□PC3が何らかの行動を起こした。
□PC3がXの問いに何らかの反応を返した。


□展開フェイズ

[イベント4 葬儀場にて]★クエリー1

・登場キャラクター:PC2、PC3
・場所:葬儀場

・状況1
悲鳴を聞き、駆けつけたPC3はその場で人々を守りながらマシンガンを持った喪服姿の人物たちと戦うPC2の姿を見る。守りながら戦っているためか、その様子は押され気味のようだ。

・解説1
現場はシマウマが去った後である。残ったヴィランたちがPC2を追い込んでいる状態だ。
もし参戦するのなら、特に判定はなくヴィランたちを倒す事ができる。


・状況2
ヴィランたちを片付けたあと、PC二人の元にひと組の男女が駆け寄ってくる。
「あの、ありがとうございました…、おかげで助かりました…!」と、女性が涙ぐみながら言う。
「貴方たちは、PC2と、PC3ですね?」と、男性がヒーローネームを言い、確認してくる。
どう答えようが、キミたちはヒーローである。彼らは夫婦のようで、キミたちに泣きつき、こう言った「娘が攫われたんです…!さっきの子、私たちの子なんです!」「お願いします…!助けてください!」

・エンドチェック
□PC2とPC3が合流した。
□子供を連れ去られた親の願いを聞いた。
□グリットを1点得る。

[イベント5 襲撃の知らせ]★クエリー2

・登場キャラクター:PC1
・場所:ニュースの見られる環境であるなら自由

・状況1
キミはニュース速報を聞いた。
「速報です。火薬庫が襲われ、倉庫内にあった火薬が奪われると言う事件がありました」
「この事件は2ヶ月程前から起きており、今回、喪服姿の集団が火薬倉庫周辺で目撃されたとの情報が」
「火薬庫だけではなく、花火屋などからも火薬を強奪しており、その被害総額は…」
というもの。火薬だけではなくガソリン等も盗まれているらしい。
そして、キミは喪服の集団を知っている。シヨンとマオの属するヴィラン組織、ゼブラパーティーの仕業だ。
ヒーローであるキミの勘は鋭く働くことだろう。何かが起きる。と。このままではたくさんの死人が出てしまうかも知れない。

・解説1
PC1が行動すれば、一つの葬儀屋から霊柩車が猛スピードで飛び出していくのがわかるだろう。
ゼブラパーティーが襲撃し火薬やガソリンを集めているのは祭を行うための爆発物を作るためだ。


・エンドチェック
□PC1が事件解決に乗り出した。
□グリットを1点得る。

[イベント6 暴走する霊柩車]★チャレンジ1

・登場キャラクター:任意
・場所:街中

状況1
ギャルルル!!!街中に響くタイヤの音。それはブレーキ音などではない。ブレーキが壊れたかの如く、猛スピードで走り回る車が、無理にハンドルを切った音だ。
街中を暴走するそれは、『霊柩車』だ。爆音を奏で、喪服姿の人物が窓から身を乗り出し人々を挑発している。なんと不謹慎な光景だろうか。しかし、集まったPCたちにその状況をのんきに見ている暇などないのだ。

解説1
チャレンジイベントだ。PCは自由に登場しても良い。
PCがこのチャレンジを達成するには合計3回のチャレンジ判定に成功しなくてはならない。
この場にPC1、PC2が駆けつけたのなら彼らの姿からゼブラパーティーの仕業である事がわかるだろう。


□チャレンジ判定
・判定①:<射撃><操縦>-20% 暴走する霊柩車の進路を妨害する。
・判定②:<作戦><心理>のどちらか 霊柩車の行き先を予測し、罠などの対策を練る
・判定③:<白兵><射撃><霊能>のいずれか 霊柩車に乗り込んでいないヴィランを倒す

成功:無事に食い止める事ができた場合、乗り込んでいたヴィランから情報を聞き出す事ができる。
「へへ、しくっちまったけどよ…でも、俺らの役割はこれで終わりさ…」
「ああ、今頃代表取締役が、たくさんの火薬を持って祭の準備をしているはずだぜ…」
「“生前葬”…だとよ、楽しみ…だな」
彼らは無抵抗であるため、刑務所に送る事も容易い事だろう。しかし“生前葬”とは一体なんだろうか。
更にGMは『ヴィラン組織:ゼブラパーティーのデータ』を開示しても良い。

失敗:PCがこのチャレンジに失敗すると霊柩車が人々を巻き込み、轢き殺し、周囲は惨状となってしまう。
そして、霊柩車に乗り込んでいなかったヴィランたちはケタケタと笑いながらこう言うのだ。
「もう直ぐだ!もう直ぐ代表取締役による“生前葬”だ!!」
「楽しみだぜ!たくさんの人間が葬られるんだ!」
「祭だ!祭だ!代表取締役も、幹部たちも!楽しみにしているぜ!!」
そう騒ぎ、霊柩車の屋根部分へと飛び乗って去っていってしまう。
この惨事にPCは<意志>-30%を判定し、失敗した場合サニティを4点失う。

[イベント7 記憶・追憶]★チャレンジ2

・登場人物:PC3、PC1とPC2は任意
・場所:自由

状況1
暴走霊柩車の事件が一段落着いたところでPC3はヴィランと対峙してから、何か心にわだかまりのようなものが芽生えた。今回初めて見たはずの彼らを、キミは知っている気がしてならないのだ。それは何故だろう?

□チャレンジ判定
・判定①:<追憶> 記憶を辿る、それはあの時の…記憶だ。

成功:キミの記憶が鮮明になってゆく。泣き叫ぶ子供、逃げ惑う人々、その中でキミは戦っていた。傷だらけになりながら、ヒーローとして戦っていた。これはキミがXを殺めてしまった日の記憶だ。
いや、違う。キミはヴィランの攻撃からXを庇おうとしたのだ。しかし、間に合わずヴィランの攻撃がXを深く傷付ける。そんなXをキミは咄嗟に抱えた。その時だ。声がした。
『おや、君は…PC3だね?その子を庇おうとしたようだが、残念…間に合わなかったようだ。その子には私が黙祷を捧げよう』声の方を向けばそこには顔面に縞模様の刺青が入った男が立っている。
『私の名前はシマウマ…、ああ、今から記憶がなくなる君に言っても意味がなかったですね。…しばらくその子を、“自分が殺したと言う嘘の記憶”に悩まされてもらいましょう。なあに、ちょっとした余興準備ですよ』
シマウマがキミの額に指を当てると、キミの意識はぐるりと渦を巻く。記憶が歪み、混濁する。そして気が付くと…キミはXを自分が殺したと思い込んでいたのだ。
Xの腕が伸び、キミに語りかけた。「ヒーロー…負けないで…!」…そして、Xは事切れたのだ。

失敗:このチャレンジに失敗すると、PC3は以下の事を思い出し、罪の意識に苛まれる。
泣き叫ぶ子供、逃げ惑う人々、その中でキミは戦っていた。傷だらけになりながら、ヒーローとして戦っていた。これはキミがXを殺めてしまった日の記憶だ。キミの腕の中には虫の息のXがいる。
キミが殺したXは、恨めしそうにキミを見たあと、事切れた。…嫌な記憶だ。

[イベント8 死の冒涜者たち]★クエリー3

・登場人物:全員
・場所:自由

状況1
キミたちの前に、シマウマが現れる。
「こんにちは英雄たち、君たちはこれまで、どのようなものを見てきたかな?我々は死、もとい祭には敏感でね、一つお聞かせ願おうじゃないか。そうだ、せっかくだな…一人一人聞いていこうか」
シマウマは何処からか椅子を出現させると、腰を下ろし、まるでカウンセラーのようにキミたちに質問をしてくる。

■PC1へ
「先ずは君からだ。PC1、…君は失った大切な人に会いたいかい?」
「これからずっと、一人だとしても?」
「失った人に会う方法はたった一つで、そして単純だろう?」

■PC2へ
「PC2、君は恩師を失ってまで、我々に逆らうのかい?」
「恩師は確か…、そうだ、子供を助けようとして死んだんだっけか?いやあ、悲しいね。君もそんな風になりたいのかい?」
「君の目の前で連れて行った子は、美しい花火にでもなると伝えておこうか?」

■PC3へ
「PC3、君は罪のない人を殺めてしまった…それは許される事なのだろうか?」
「何故君は人を殺しておいて生きているんですか?」
「それが真実だとして、君はまだ生きていくのですか?」

など、他にも問うと面白そうな事を聞いてみるといい。

解説1
シマウマの言い方は、全て自分が仕組んだように聞こえる事だろう。勿論偶然もあっただろうが、殆どは余興として仕組まれた事であり、ゼブラパーティーはPCたちの心を踏みにじり、この場で葬ろうと考えている。
PCたちがどう答えようとも、シマウマは笑い、嘲る。
消極的な答えを出したPCには「そうそう、そうですね、死んでしまいたい程ではありませんか?会いたいでしょう?償いたいでしょう?我々の企画するビックイベント!“生前葬”にて、派手に弔って差し上げますよ?」
と、言った具合だ。シマウマは“生前葬”にヒーローの亡骸が欲しいだけだ。だって、ヒーローが故人だと興奮するからね。

状況2
「君たちが生きようが、死のうが、絶望しようが“生前葬”は止められない。さあ、仕上げですよ」
「派手に逝こうじゃあないか、英雄たちよ。この爆炎は君たちへの葬送歌とでも言ったところでしょうかねえ?」
シマウマは傍に止まった霊柩車に乗り込んでどこかへと向かう。

解説2
この流れのまま、チャレンジ判定へと入る。

・エンドチェック
□PC1が問いに答えた。
□PC2が問いに答えた。
□PC3が問いに答えた。
□グリットを1点得る。

■“生前葬”について。
生前葬は街の中心部を爆弾で囲み、爆撃で地盤を沈下させ、街ごと埋葬すると言う大規模なもの。爆弾の炎はガソリンへと引火し、土葬と火葬を兼ね備え、生きた人々を葬るものだ。
そしてその起爆装置は子供に取り付けられた爆弾であり、子供を助ける事が出来なければ街は沈んでしまうだろう。

[イベント9 テロ行為を止めよ]★チャレンジ3

状況1
たくさんのヴィランたちが白と黒の鯨幕をはためかせ、まるで祝い事のように騒ぎながら、車でシマウマの乗り込んだ霊柩車を追う。キミたちは瞬時にヴィランたちが向かった先が街の中心部である事を察した。
そしてキミたちはヴィランの車の一つに、ガムテープで何か機械を固定された子供を目撃する。PC2は気が付いた。そう、葬儀の際に連れ去られた子供だ。そしてあれはおそらく爆弾であろう。
子供はキミたちを認識したのか、目に涙を浮かべながら助けを求めている。
急げ!ヒーローたち、時間がない!!

解説1
このチャレンジ判定には順番に3回成功する必要があるが、判定③のみPC2が行わなくてはならない。


□チャレンジ判定
判定①:<交渉> 周囲に注意喚起をし、住民を安全な場所へ避難させる。
判定②:<知覚> 強奪された火薬やガソリンの量から爆弾は一つだけではないのは確実だ。それを捜す事が出来る。
判定③:キミの得意な技能 車の中にいる子供を助け出す事ができる。

成功:ヴィランたちが中心部へとたどり着く前にキミたちは大きく戦力を削ぐ事が出来た。キミたちに道を塞がれ完全に停止した霊柩車からシマウマが現れ、「よくもやってくれましたね…!ヒーローども…!」と、睨みつける。そして何処からか豪快な笑い声が聞こえ、ゼブラパーティーの幹部の一人、サカマタが現れた。
「ハハハハッ!!ヒーローながら天晴れじゃあないかァ!!参った、参った!!…ふう、しかし、宴もたけなわ…いやいや、これからじゃろうに!この祭を盛り上げるお祭り男爵、サカマタの参戦じゃあ!」
笑うサカマタの横で、シマウマが神経質そうに、だがどこか楽しそうに言う。
「仕方ありませんねええええ~~~!!!シヨンもマオもいませんが、そこまで言うのなら、我々が直々に送り出して差し上げますよ!」

失敗:ヴィランたちを片付ける事が出来たが、キミたちはシマウマの乗った霊柩車と、子供の乗った車を逃してしまった。そのまま霊柩車は中心部の方へと移動していく。それを必死に追いかけ、キミたちが中心部へとたどり着いた時だった。背後から声がする。「さあ、英雄たちへの葬送歌だ」身体に爆弾を巻きつけられた子供が、PC2の名を呼ぶ。
シマウマの声が聞こえた「キミたちは、これで本当に“何も守れなかった”のだよ、子供も、…恩師も、…過去もね」
大爆発が起き、キミたちは吹っ飛ばされる。熱風が吹き、吹っ飛ばされた身体が瓦礫へ叩きつけられた。
そして、身体が沈んだ。いや、これは地面が大きく沈んだのだ。爆発の衝撃で出来たクレーターの中に建物や逃げ遅れた人々が落ちていく。キミたちは衝撃により朦朧とする意識の中で、ズウンと大きな音を聞いた。
「ハハハ!祭じゃあ!祭じゃあ!!」
「お祭り!お祭り!」「祭りだ~!」
満身創痍のキミたちはそれでも立ち上がる。その場にはシマウマとサカマタ、そしてシヨンとマオが立っていた。サカマタは豪快に笑う。
「ハッハハハハ!今の爆風に飲まれて無事とは、流石ァヒーローと言ったところか!!」
シマウマが言う「だからこそ、葬りがいがあるのです」
爆風に飛ばされた場所にはまだ生存者がいるかも知れない。一刻も早くゼブラパーティーを倒し、救助に当たらなければならない。

解説2
チャレンジ判定に成功した場合、対決するヴィランはシマウマとサカマタ、2人の参列者(構成員)である。
失敗した場合はシマウマとサカマタ、シヨンとマオ、2人の参列者(構成員)が参戦する。



□決戦フェイズ

[イベント10 対ゼブラパーティー]

・登場キャラクター:全員
・場所:本文参考

※チャレンジ判定に成功しているか否かで状況、そして戦うゼブラパーティーのメンバーが変わってくる。GMは適宜描写などを変えるように。

状況1
シマウマはキミたちに問いかける。死そのものがキミたちに問いかける。
「キミたちが生きている意味とは?身を呈し、何かを失っても尚生き続け、戦う意味とは?」
キミたちの目の前に、ゼブラパーティーのメンバーが立ち塞がる。その表情は皆どこか楽しそうであった。それでこそ、祭の主役を飾るような、狂気に満ちた喜びである。シマウマが言う。
「さあ、笑おうじゃないか、永遠の別れこそ、惜しみなく楽しもう」
「ああ、遺言は大事です、どうです?最後に」
状況がどう転がろうが、彼らはこの祭を楽しむのだろう。さあ、決戦だ。

解説1
▼初期位置
シマウマ:エリア④
サカマタ:エリア③
(シヨンとマオ:エリア④)
参列者:エリア③
PC:エリア①、または②

▼エネミーの戦術
・シマウマは基本④のエリアから動く事はない。距離の離れた位置にいるPCには《修祓》を、射程に入ってきたPCには《弔いの言葉》《焼香》などを使ってくる。そして《黙祷》、これは声がでかいなど、元気なPCに使うと面白いだろう。
・サカマタは進んでPCと間合いを詰めてくる。《出棺火葬》や《墓参土葬》は強力なため当たったらひとたまりもないだろう。
(・シヨンとマオはライフやサニティは低めだが、デスチャートに補正を入れるパワーを使ってくる。それ以外はエリア内を動き回り、PCたちに攻撃を仕掛けてくる。※シヨンとマオは一心同体のため、1体とする。)
・参列者たちは一番近い距離にいるヒーローをランダムで攻撃してくる。

■勝利した
倒れたシマウマ、そして他のゼブラパーティーのメンバーたち。動けない程にダメージを受けた彼らは盛大に、笑った。
「最高だ!これぞ祭りのフィナーレに相応しい!死の恐怖、滑稽さ!全てに打ち勝った英雄たち!!…ああ、君たちを見くびっていたよ」
「死とは恐ろしいものだ、だからこそ笑わなくてはいけない、死とは別れだ、だからこそ笑顔で別れなくてはならない、君たちは私の計画にも屈せず、打ち倒した、素晴らしい事ではないか!!!」
息をつき、シマウマは手を重ね、指を絡めた。それは祈りの姿のようだ。
「さあ、…好きにしろ、死の恐怖を乗り越えた君たちはどの神輿よりも煌びやかで、どの祭囃子より楽しく、美しい…」
そのシマウマの一言を最後に、他のメンバーも大人しくなった。シヨンとマオ、そしてバクも駆けつけたが、その様子に観念したかのようにその場に座り込んだ。
ヒーローの大勝利だ!

■全滅した
倒れたキミたちをゼブラパーティーのメンバーが見下ろし、憂いの表情を浮かべる。
シマウマは静かにこう言った。
「では、この勇敢な英雄たちに…黙祷」
───キミたちはゼブラパーティーに看取られ、意識を手放した。そして、盛大に弔われる事だろう。

■絶望したPCがいる場合
「君は…勝てなかったようだね。死に…。しかし、恐れる事はない。さあ、騒ごうではないか、君の命尽きる時まで、悲しい出来事を笑って過ごそう」
──絶望したPCはこれ以降NPCとなる。

■ヴィランたちを殺害した場合
「これが死の恐怖…なんておかしい…、たのしい…!!!」
トドメを刺されたシマウマは狂ったように笑い、そして事切れる。
その瞬間、空間がねじ曲がり、煙をまき散らしながらおぞましい怪物が出てきた。それは『バク』であった。バクは事切れたメンバーの顔に噛み付くと、何かを吸い出した。
キミたちは直感する。それは『魂』だ。彼らの『魂』をバクは喰らったのだ。そして、キミたちをじろりと見るとそのままねじ曲がった空間の中へと帰っていった。


□余韻フェイズ

・PCたちはそれぞれのシーンで好きに結末を演出をして良い。迎えたエンディングによって演出は変わってくる事だろう。刑務所へ送ったヴィランとの面接、失った人の墓参りや、子供を助けていた場合、きっとその家族からキミたちは手厚くお礼を言われるに違いないだろう。

死とは、別れである。死とは、恐怖である。
しかし、救いでもある。それを面白おかしく祭として騒ぎ立てるヴィラン・ゼブラパーティー。
彼らと対峙し、大切なものを失った英雄であるキミたちは何を得て、何を思うのか?

『英雄たちへの葬送歌』END

■各PCは成長点(最大10点)を得る。

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2017-07-05 : DLHシナリオ :
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