月ウェルバナー

シナリオ名:月曜のウェルテル

□公開情報
リトライ:2
初期グリット:3
チャレンジ:2
クエリー:4

難易度:優しい

□PCエントリー
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▽PC1
キミはゼブラパーティーを追っているヒーローだ。
そしてキミはゼブラパーティーの幹部の一人、サカマタが現れたとの情報を得る。
単独で現場に向かったキミは戦闘の末サカマタに勝利する事が出来たのだ!
サカマタが捕らえられた事は多くのメディアの注目を浴びた。…しかし、あまりにも呆気ないその状況にキミには疑心が生まれている。
キミは何処か組織に所属していてもいいし、無所属でも構わない。
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▽PC2
キミにはテクノマンサーのヒーロー、バグズと言う知り合いがいる。
ある日キミは彼に呼ばれ、『ウェルテル』と名付けられたデータを見せてもらった。
バグズがネットサーフィン中に偶然見付けたこのデータはまるで虫の繭のように生きているそうだ。
「これは何かの予兆かも知れない」と彼は言う。
しかしキミにはもう一つ気になる事があった。それはモニターを見詰めるバグズの顔色が優れないと言う事だ。
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ヴィラン組織:ゼブラパーティー
時間:ボイセで3時間
資料:立ち絵など
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□シナリオ概要
時期は3月、春の芽吹きを感じる頃。
曜日は月曜、新しい一週間の始まり。
これらの二つには『最も自殺者が多い』と言う共通点がある。
ゼブラパーティーは今年の春祭に自殺者たちの葬式をターゲットとした。
代表取締役であるシマウマは『ウェルテル』と名付けた自殺を誘発する電波を放出するコンピューターウイルスを虫の卵のようにプログラムし、インターネットを通してばら撒いた。
その卵は密かに成長し、繭の状態となったものをある日バグズと言うヒーローが偶然見付ける。
更に『ウェルテル』にはメディアが注目すればする程力を増すと言うパワーが秘められているため、民衆が『ウェルテル』に注目するようにサカマタはわざと捕らえられたのだ。
そして3月のとある月曜日に『ウェルテル』が一斉に羽化して蝶となり、インターネットを通して電子機器の中を飛び回り始めた。
『ウェルテル』の放つ電波は精神的に追い詰められた人々の背中をそっと暗闇へと押すのだった。
果たしてヒーローたちは人々の自殺を食い止めるために『ウェルテル』を破壊する事ができるのだろうか。

□NPC情報

・バグズ
性別:男 年齢:34歳
オリジン:テクノマンサー
ヒーロー歴:14年 知名度:高め
個性:発明 人の役に立つものを作りたい
覚醒:開発 ヒーローとして活躍するためのスーツや武器、乗り物などを自力で開発した。
歳による衰えを感じつつ発明品でヴィランと闘う三十路ヒーロー。
最近は疲れや民衆の態度からヒーローである自分に悩んでおり、ばら蒔かれたウェルテルを画像化し見付けた事をきっかけに自殺を誘発されてしまう。
PC2とは仲が良い。本名は雨森 祈(あまみや いのり)

・ゼブラパーティーについては別資料参考

□アイテム情報

・ウェルテル
自殺衝動を呼び起こす性質を持った宇宙の漂流物が彼の正体。オリジンで言うのならハービンジャーである。
地球に飛来したものの太母結界により自殺を誘発する程度の力にまで弱まっていた。
それをシマウマが拾いコンピューターウイルスとして改良したのだ。
ゴマダラチョウのような姿をしている。

・エリクサーEX
リトライ1個分の回復力を持つバグズ特性の不思議なクスリ。
ライフ、サニティ、クレジットを1D6点ずつ回復する。
※テクノマンサーのパワー、『電光石火』などに使っても良い。
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□導入フェイズ

[イベント1 疑惑の勝利]

・登場キャラクター:PC1
・場所:自由
・曜日:土曜日

状況1
キミはゼブラパーティーの幹部であるサカマタが現れた事を聞きつけて現場へとやってきた。
サカマタはキミを見ると満足そうに頷いて、「フム…、PC1かァ、ちょうどいい…さァ、勝負といこうかァ」と構えをとった。

解説1
サカマタはわざとキミに倒され、わざと捕まるために手を抜いている。
この行動はシマウマの計画を知っているサカマタの独断であるため、彼に何か企みがあるのかと聞いてもシラを切る。


状況2
そしてキミはサカマタに勝利する事が出来たのだ。しかし、その勝利は余りにも出来すぎている。
キミに疑念が生じた。「もしかすると、これは何か仕込まれた事なのではないだろうか?」と。
しかし、キミの疑心とは関係なく駆け付けたマスコミはキミや、そして捕らえられたサカマタを囲み報道を始めた。サカマタが動いたのは彼が収監されるために搬送する車の中へ乗り込む直前だった。ふと歩みを止めたサカマタに対し一斉にカメラのレンズが向かう。
サカマタはカメラに向かって不敵に笑い、こう言った。
「お前さんら、月曜のウェルテルの声を聞け」
ざわつくマスゴミや野次馬たち。キミの疑心は確信へと変わった。
2日後の月曜日に何かが起きる、と。

[イベント2 ボロボロの英雄]

・登場キャラクター:PC2
・場所:バグズの研究所
・曜日:日曜日

状況1
キミはテクノマンサーのヒーロー、バグズに彼の研究所に招待された。
何でも、テレビでサカマタの言っていた『ウェルテル』と言う名前のデータを見付けたそうで、その画像を見せてくれた。『ウェルテル』は繭のような卵のような姿をしており時折データ更新がされているようで、その様子がまるで生きているようだ。とバグズは言う。
『ウェルテル』はインターネットを通し様々なサーバーやホームページに潜んでいるようで、バグズが見せてくれたのはそのデータを画像化したものである。
「『ウェルテル』のセキュリティはかなり頑丈みたいでね、僕でも突破する事は出来なかった。なかなか掴み所のない興味深い存在さ」
しかし、キミは気付いている。今、そう言っている彼の顔色は優れず、調子が悪そうだと言う事に。

解説1
バグズは長きに渡るヒーロー生活で『ヒーローである理由』を見失い、精神が極限まで磨り減っている状態だ。
そして彼は既に自らの命を絶つ事を、心のどこかで考えている。


状況2
PC2が心配する言葉をかけると彼は少し黙ったあとにゆっくりと口を開く。
「…最近、どうも沈んでてさ、何をやってもうまくいかなくて、そして気付いたんだよ。僕…ヴィランが出る度に気持ちが重くなってるって」
「キリがない事件の数、そしてヴィランたちに疲れているんだ」
「自分は、どうしたらいいんだろうって、…いっそ、愛の宿り木にでも相談しちまおうかなー、なんて。ハハ…あれもヴィラン組織だ…」
誤魔化すように笑ったあと、彼はぼやくように言った。
「僕にはもう、逃げ場がないんだ」
PC2が彼をなだめるような言葉をかけるのなら、彼はキミの方を見てニッと歯を見せて笑う。
「そうだよな、いや、ホント参った!悪かったよこんなこと言っちゃってさ!さー、今日も困ってる人達を助けなきゃな、なっ!PC2!」
バグズの歯を見せる笑顔はいつもテレビなどを通して彼を見てくれている人々に向けての笑顔だ。
果たしてキミは、彼のこの笑顔に安堵するだろうか。…それとも?


□展開フェイズ

[イベント3 面会]★クエリー1

・登場キャラクター:PC1
・場所:刑務所
・曜日:日曜日

状況1
ガーディアンズ・シックスの命を受けてか、はたまた自身の判断か、キミは先日捕らえたサカマタに『月曜のウェルテル』について聞くため面会を行っている真っ最中だ。
サカマタは椅子に腰をかけており、どっしりと構えている。その風格からやはりキミ一人であっさりと捕まえられるヴィランとは思えないし、そもそもゼブラパーティーの中で一番豪腕だとも聞く。
だとすると、ますますこの出来事が仕組まれた事のように思われる。

・解説1
サカマタは自殺を誘発する『ウェルテル』へ民衆の注目を集めるためにわざと捕まったのだ。
理由は『ウェルテル』はメディアを通して人に知られれば知られる程その力を増していくためだ。
案の定、現在サカマタが捕らえられた事がどのメディアでも取り上げられている。

状況2
キミが『ウェルテル』について聞くと、サカマタはこう答える。
「ンー、ワシにはァ難しくてなァ。名前くらいしか覚えとらンのじゃァ。すまんのゥ英雄」
「まァ、シマウマがまたなンか考えとったみたいじゃァし、はようした方がええンじゃァないか?」
「ワシが捕まって世間が騒ぐンは、せいぜい3日くらいじゃろうに…まァ、十分か!」
サカマタは豪快に笑うだろう。
大した事も聞けないままキミはその場を後にする事となる。
そして少しでも『ウェルテル』についての情報を集めなければならない。

解説2
サカマタとの会話での情報開示はGMの裁量に任せる。
しかし、サカマタは『ウェルテル』については、機械などに疎いため、本当に知らない(覚えていない)ため『メディアに注目される事』を独断した。

・エンドチェック
□サカマタと話した。
□『ウェルテル』について捜査を始めた。
□グリットを1点得る。

[イベント4 磨り減った精神]★クエリー2

・登場キャラクター:PC2
・場所:バグズの研究所前
・曜日:月曜日

状況1
キミはどうしても気がかりで翌日、再びバグズの研究所を訪れた。しかし、インターホンを鳴らしても彼の返事はない。嫌な予感がする。
玄関は開いているため、研究所内へと入る事が出来た。部屋にバグズの姿はない。
その代わりに彼がいつも弄っているパソコンの画面には『ウェルテル』の画像が開かれており、そしてその横には『遺書』と書かれたファイルがあった。

-遺書-
これが読まれていると言う事は、僕は既に覚悟を決めたのだろう。
もしかしたら読んでいるのはPC2、君かもしれない。だったら、君に宛てて書いてみようと思う。
最初はヒーローが楽しくて仕方なかった。
でも、いつからだろう。ヒーローである自分が信じられなくなってしまったのは。
ヒーローである自分を信じる事のできない自分は、死んだも同然なんだ。
そう考えるようになった。
だから、この僕は存在しているべきじゃないんだ。
さようなら、PC2。
君の言葉が僕に届かなかったと自分を責めないでくれ。これは僕の決断なんだ。
バグズ
-------

状況2
遺書を読み終えると、それはホログラム化し、画面へと溶けていった。
そしてキミは目の当たりにする。昨日見た『ウェルテル』と呼ばれる繭が動き始め、その中から白と黒の模様を持った蝶が羽化した。
その蝶は決して美しくはなく、歪な白黒模様の羽を羽ばたかせてまるで死へと誘うような禍々しさを感じた。
そしてその蝶はしばらくパソコン画面の中を飛び回った後、何処かへと飛び立った。
もしかすると、バグズが遺書を書いた原因かも知れない。キミは直感した。

・エンドチェック
□バグズの遺書を読んだ。
□『ウェルテル』の羽化を見た。
□グリットを1点得る。

[イベント5 ウェルテルの声]★クエリー3

・登場キャラクター:PC1
・場所:何処かの空き地
・曜日:月曜日

状況1
キミはサカマタの言った『ウェルテル』についての情報を探すが、一向に見付からない。探している内に曜日は月曜日となっていた。
そしてキミは捜査の途中、空き地にてこんなものを目にした。
窓ガラスが目張りされた車だ。そして中にはぐったりとした人がいる事がわかるだろう。
その様子からキミの脳裏には、一酸化炭素自殺と言う言葉が過ぎった。

解説1
この自殺は『月曜のウェルテル』の余波によって起こっている。そしてヒーローならばその自殺を止める事だろう。救出の仕方を自由に演出して構わない。
万が一、自殺を見送ると言う宣言があった場合は、少しばかりケツを蹴って欲しい。


状況2
車内にいたのは女性だった。案の定助手席の足元には七輪が置かれている。
キミに救われた女性は体が痺れているようでぐったりとしているが生きていると言う事がわかる。
キミに抱えられた女性は、弱々しくもはっきりとキミにこう言った。
「何で、…何で止めたのよ、助けてなんて…誰が言ったのよ…」
「私は!死にたいの!私は、ウェルテルの声を聞いたの!」
彼女は涙を流し、キミを責めた。キミならどう応える?

・エンドチェック
□女性の問いに応えた。
□グリットを1点得る。

[イベント6 集団自殺]★チャレンジ1

・登場キャラクター:PC1、PC2
・場所:街中

状況1
ヒーロー、キミたちは街中の異変に気がついた。テレビやスマートフォン、車のカーナビ、ありとあらゆる電子機器の中に飛び交う白黒の蝶たち。
PC2はバグズの研究所のパソコン画面で見たものと同じであるとわかるだろう。
街へと出ると人々がモニターを指差し、ざわついている。
ここでPC1とPC2が合流する。

状況2
街中の大きなモニターにノイズが走り鯨幕を背景に微笑む顔面に刺青の入った男が映し出された。
「こんにちは、市民、そしてヒーローの皆様。ゼブラパーティー代表取締役のシマウマです」
「どこかの愚かなヒーローが、私たちの大切なお祭男爵であるサカマタを捕まえてしまったようで…とても悲しい事ですね」
「彼はとっても自己犠牲の精神が高いのです…本当、優しい人だ。…なので、サカマタが捕まってしまった分、私も計画を少々前倒しして今ここで、祭とシャレこもうと思います」
シマウマの映るモニターの中に、たくさんの蝶が入り込んでゆく。
「紹介しましょう、彼はウェルテル、君たちを死へと誘う蝶です」
「さあ皆様、私の元へ」
大きなモニターを見ている民衆はざわついた。そして電子機器の中にいる蝶たちが一斉に羽を揺らす。
ヒーロー、キミたちには蝶が発した電波のようなものを感じる事ができた。そしてモニター前に集まっている大勢の人々の中から何人かがフラフラとどこかへと向かっていく。
シマウマが言った。
「さあ、ウェルテルの声を聞いた方々のご遺体は、どのような姿になるのでしょうか」
今、この場にいる誰もがサカマタの言葉、「月曜のウェルテル」に注目していた。

□チャレンジ判定
・判定①:<心理><隠密><知覚>のいずれか 人々がどこへ向かおうとしているのかを推察する事が出来る。 

成功:キミたちは人々がW.A.V.E.系列のテレビ局へと向かっていると言う事に気が付く。
更に彼らの精神状態がどこか普通ではないと言う事がわかるだろう。
ヒーローのキミたちでもこの人数を食い止めるのは不可能に等しい。
キミたちは彼らを誘う原因を直接叩く事を思い付いた。

失敗:キミたちは人々の波に飲まれ、大きく時間を食ってしまった。
人々の波に飲まれキミたちがたどり着いた先がW.A.V.E.系列のテレビ局ビル前である。
このチャレンジに失敗していると、既に月曜のウェルテルが起きており、屋上にいる人々が自ら命を絶ち始めている。次のチャレンジ2でPCは『集中』を使う事が出来なくなる。

状況3
W.A.V.E.系列のテレビ局にもヒーローたちの活躍や番組をいち早く届けるために大きなモニターがついている。
そして、キミたちの到着を待ちわびていたようにモニターが起動し、シマウマが映った。
「ふむ、英雄たち、無事にこちらに辿り着く事が出来たようですね」
「月曜日、3月、相次ぐ自殺の報道…ウェルテルの声を聞け」
「私は局長室で待っています。しかし…先に彼に注目されてはいかがでしょうか?」
シマウマの視線に釣られ、キミたちはテレビ局の屋上に目をやった。
そこには今にも飛び降りそうな、男…バグズの姿があった。
テレビ局ビルはあまりにも高くここからではキミたちの声は届かない。

──さあ、キミたちはシマウマのいる局長室へ向かうか?バグズのいる屋上へと向かうか?それとも、もう一人のヒーローを信じ、分担するか?

※次のチャレンジは分岐チャレンジとなっている。
シーン別でチャレンジ判定を行う事となるが、一つのチャレンジとなっている。
しかし、互いの支援は届かない。
おそらくチャレンジ2-AはPC2が、チャレンジ2-BはPC1が行う事だろう。
互いを信頼し、分担と言う形をとるシーンだ。熱く演出をして欲しい。
※分かれないとなった場合、優先されなかった方のペナルティが発生する。
※GMはチャレンジ2-A判定①とチャレンジ2-B判定③を公開し、PLに決断しやすくさせてもいい。

[イベント7-A 英雄の自殺]★チャレンジ2-A

・登場キャラクター:自由
・場所:W.A.V.E.系列のテレビ局の屋上

状況1
キミはテレビ局の屋上へとたどり着いた。
そこにはたくさんの人々が祈り、何かを書き、念仏を唱えている、そんな光景が広がっている。
そしてその人々の中で今にも飛び降りそうな人物、バグズがいた。彼は地上に広がるコンクリートを見詰めている。
彼はヒーローだが肉体は生身である。この高さから落ちて無事と言うのは先ずないだろう。

□チャレンジ判定
・判定①:<意志>+20%<心理>+20%<交渉>+20%のいずれか バグズに声をかけ、自殺を阻止する。そして彼のヒーローとしての精神を今再び呼び覚ますのだ。

判定①に成功:キミはバグズを説得する事が出来た。キミの声が、彼に届いた。
彼は涙を流しながら一歩、後ろに下がった。
「僕は、ヒーローなんだ…こんな場所で、自ら命を絶っちゃいけない。ありがとう…!僕も、今そっちに!君に力を貸すよ!」
その瞬間だ。バグズの背後にシヨンとマオが現れた。二人はにっこりと笑い。
「えーい!」「死んじゃえーっ!」
そう叫びながらバグズの背中を押した。
「え…?」
バグズは再び、その表情を恐怖で歪めた。
「いやだ、死にたくない!死にたくない!!!!!!」

・判定②:<運動><操縦>など テレビ局屋上から落ちるバグズを救出する。

全ての判定に成功:キミはバグズが地面と激突する前に飛び出し、確りと彼を抱き抱えた。キミは彼が潰れたトマトになる前に救出する事が出来たのだ。ビルの下にいる野次馬たちが大きく湧き上がる。
「ヒーロー!ヒーロー!」「さすがだ!ヒーロー!」
キミに抱えられたバグズはキミに感謝する。
「ありがとう…!僕はまだ、生きたい…!!」
「ウェルテルの正体、僕が思うに、自殺を誘発する電波を出すコンピューターウイルスだ…!わかったんだ、僕も、ウェルテルの繭を見てて、段々、不安になってきて。…もしかしたら微弱の電波に、やられたのかも…しれない、言い訳かもしれないけど……」
「そして、ウェルテルに注目が集まれば集まる程、ウェルテルのパワーが強力になっている!この放送は危険だ!」
経験を得て、彼はウェルテルの正体をキミに教えてくれた。そして命を救ってくれたキミにアイテム:『エリクサーEX』をくれる。

失敗:キミの説得虚しく、彼は涙を流しながらその身を投げた。ビルの下にいる野次馬たちが悲鳴を上げる。
彼の体は叩きつけられ、潰れたトマトのようにあたりに血を撒き散らした。
更にその映像は様々なメディアが生放送で捉えていた。テレビ、インターネット、野次馬の撮っていた動画がSNSにて、あまりにも多くの人々がそれを目撃しており、配信していた。
様々な場所で悲鳴や絶叫が上がる。中には歓喜の声もあるかもしれない。
大きなモニターに映っているシマウマがニコリと笑った。彼の指には白黒模様の蝶がとまっている。
「月曜のウェルテルの声を聞け、その命を投げ出し、死を我々に与えたまえ。…今日は死ぬにはあまりにもいい日でしょう?」
彼の自殺の映像がきっかけとなり、ウェルテルは更に力を増す事だろう。

[イベント7-B 元凶の元へ]★チャレンジ2-B

・登場キャラクター:自由
・場所:W.A.V.E.系列のテレビ局内

状況1
テレビ局内には喪服姿のヴィラン、そして逃げ遅れたスタッフの人々がいる。
喪服姿のヴィランたちは間違いなくゼブラパーティーの構成員だ。シマウマは確実にこのビル内にいる事だろう。
キミはヴィランたちを倒し、逃げ遅れたスタッフたちを安全な場所まで誘導しなくてはならない。

□チャレンジ判定
・判定③:<意志><交渉>のどちらか テレビ局内にいる人々を安全な場所へと移動させる。
・判定④: <白兵>+20%<狙撃>+20%<霊能>+20%のいずれか テレビ局内にいるゼブラパーティーの構成員たちを倒しながら局長室まで進むことが出来る。

成功:キミは局内の人々を安全な場所に誘導しながら、構成員たちを薙ぎ倒し、局長室へと辿り着く事が出来た。扉を開けると、黒い高級そうな椅子に腰をかけたシマウマの姿がある。その側には例のモニターに姿を映すためのものだろうかカメラが置かれていた。
「ようこそ、英雄…早かったですね」
シマウマは微笑み、パソコンのキーボードを叩いた。
「こんなにはやく来るなんて少し予想外ですよ。しかし、ウェルテルは既に目覚めてしまいました。君たちの目の届かないところでもウェルテルの声を聞いた憂鬱な人々は自ら命を絶っている…」

失敗:テレビ局内のスタッフが何人か殺され、鯨幕が張られ線香の匂いが漂っている事だろう。
キミはその中で、何とか局長室へと辿り着く事が出来た。
そこには黒い高級そうな椅子に腰をかけたシマウマの姿がある。その側には例のモニターに姿を映すためのものだろう、カメラが置かれていた。
彼はどこか嬉しそうに「ようこそ、英雄」と言った。
「しかし、少しばかり君は遅かった。見たでしょう?この局内の光景を…ちょっとばかし、祭を楽しんでしまった所でして、参列者はまだ足りないとおっしゃっています。やはり、…英雄のご遺体が必要ですね」
シマウマは微笑み、パソコンのキーボードを叩いた。

※このチャレンジでの失敗は以下のようなペナルティとなる。
チャレンジ2-Aが失敗…ウェルテルがフルパワーで現れる。
チャレンジ2-Bが失敗…ウェルテルのパワーが一つ追加される。

解説1
もし、チャレンジ2-Aに失敗していた場合、PCは局長室の窓の外に落下していくバグズの姿を見るかも知れない。GMは思い切り絶望的な演出をするのもいいだろう。
そのままクエリー4に移動する。



[イベント8 英雄の答え]★クエリー4

・登場キャラクター:シマウマを追ったPC
・場所:W.A.V.E.系列のテレビ局内-局長室

状況1
「では、質問といきましょうか」
シマウマは机の上に乗っていたノートパソコンを持つと、開け放たれた窓の方へと歩みを進める。
そしてキミの方を向いた。

「ウェルテルはあくまで自殺を誘発するもの…つまり、ウェルテルに誘発された者は心のどこかで“死にたい”と叫んでいる人たちです。それでもウェルテルと闘うのですか?」
「死にたいと言う人たちを助ける意味とは?」

シマウマは、君に問う。
…さあヒーロー、キミはどう応える?

状況2
キミの答えを聞いたシマウマは笑う。
「成る程、それが君の答え」
「ならば、ウェルテルと戦いなさい」
「あぁ…こんな狭い所じゃ存分に戦えないでしょう。場所を変えます」
「さあ、ウェルテル、君がこの英雄たちを葬るんだ」
シマウマはノートパソコンに何か文字のようなものを書いて、それを外へと投げた。
あたりが眩い光に包まれたかと思うと、そこには複雑に、歪に絡み合った電子ケーブルと百合の花束に白黒模様の大きな蝶の羽がついた巨大な怪物が出現した。

「改めて紹介します、彼はウェルテル…自殺誘発電波であり、君たちを葬る怪物さ…」
「では私は失礼致します。サカマタを迎えに行かねばならないので」
その瞬間、空間が歪んだかと思うと煙を噴かしながらゼブラパーティーのメンバー、バクが現れた。
バクの背中にはシヨンとマオも乗っている。
シマウマはバクにつかまるとそのままキミに手を振り、空間の歪みの中に消えていった。

・エンドチェック
□シマウマの問いに答えた。
□グリットを1点得る。

□決戦フェイズ

[イベント9 月曜のウェルテル]

・登場キャラクター:全員
・場所:W.A.V.E.系列のテレビ局前

解説1
チャレンジの結果にてウェルテルのステータスが変わってくる。
ウェルテルの攻撃は避けやすく、PCの攻撃が当たりやすいためライフは多めに設定してあるが、GMはPCのパワーバランスを見ながら調整をしてくれて構わない。


・バグズが生きている場合、以下のイベントが挟まる。
ウェルテルは地上に降りたため、先ず対峙するのはバグズを助けたPCである。
バグズはテクノマンサーだ、助けてくれたキミたちのために、その力を存分に振るう。
「ハッキングをすれば、完全にとはいかなくても少しは奴を弱らせる事ができるかも知れない!」
バグズは装備を展開させると、ウェルテルの攻撃を掻い潜りウェルテルの機械部にコネクタを接続した。
「行くぞ!ウェルテル!お前が電子の存在であるなら、僕にもなんとかできるはずだ、お返しだ!!」
バグズがパソコンを操作すれば、ウェルテルが苦しそうに吠えた。ウェルテルの姿はまるでバグを起こしたかのように所々が崩れた姿となる。しかしまだ原型をとどめていた。
痛みを感じているのか、はたまた別の何かだろうか。ウェルテルは唸り、暴れ、バグズをなぎ払った。
バグズは吹っ飛ばされ、そのままコネクタも抜けるがウェルテルの姿はバグ状態のままだ。
そこにビル内にいたPCも駆けつける事だろう。(吹っ飛ばされたバグズをキャッチすると格好いい)
バグズは叫んだ。
「あとは頼むぜ!ヒーローたち!」

白黒模様の大きな羽を優雅に開き、電波を振りまくウェルテル。
ウェルテルは弱った人々の背中を押し、死へと誘う存在だ。
ヒーロー、キミたちは一刻も早くこの怪物を倒さなくてはならない!
さあ、決戦だ!!

・バグズが死んでいる場合はハッキングが行われずフルパワーのウェルテルと対峙する事となる。

▼初期位置
ウェルテル:エリア④
PC:①、②、③好きな場所

▼エネミーの戦術
ウェルテルはエリア④から動く事はない。どの攻撃も隠密エリアを除くエリアに届くからだ。
ウェルテルの知能はそこまで高くはないのでGMはダイスでパワーを決めるなどのランダム攻撃でも構わない。

▼エネミーデータ
自殺誘発電波:ウェルテル
百合の花束、ケーブルコード、蝶の羽、そして青年の顔を持っている。神々しくも、禍々しい姿をしている。

■能力値  技能
【肉体】5
【精神】50
【環境】10

■エナジー(バグ状態)
【ライフ】55
【サニティ】50
【クレジット】20

■エナジー(フルパワー)
【ライフ】75
【サニティ】65
【クレジット】40

移動適正:地上、宇宙

■パワー
・レンタン
属性:攻撃 判定:-
タイミング:行動 射程:3
目標:1体  代償:ターン10
目標は<生存>+10%の判定を行う。失敗した場合2D6点(最低6)のダメージを与える。
□むせ返る百合の香りの中に、肺を焼く臭いが混じる。

・トビオリ
属性:攻撃 判定:-
タイミング:行動 射程:3
目標:1D(PCの数)体  代償:ターン10
目標は<生存>の判定を行う。失敗した場合2D6点のショックを受ける。
□正体は大量に撒き散らされた百合の花粉だ。その花粉はキミのトラウマを映し出す。

・カンデン
属性:攻撃 判定:-
タイミング:行動 射程:3
目標:3体  代償:ターン20
目標は<運動>-10%または<生存>-10%の判定を行う。失敗した場合3D6点のダメージを受ける。
□外側から焼く。

・クビツリ
属性:妨害 判定:霊能50%
タイミング:特殊 射程:1
目標:1体  代償:なし
キミが攻撃を受けた時に使用できる。失敗した場合目標は1D6のターンを消費する。
□キミの首にウェルテルのコードが引っかかり、そのまま投げ飛ばされた。

※チャレンジ2-Bに失敗場合のパワー
・リュウカスイソ
属性:攻撃 判定:-
タイミング:行動 射程:3
目標:全エリア  代償:ターン20、更に次のラウンドでのウェルテルのターンは10に固定される
目標は<意志>-20%の判定を行う。失敗した場合4D6のショックを受ける。この攻撃は2ラウンド以降に使用する事ができる。
□キミたちの体が緑に染まってゆく。呼吸が苦しい、目から血が流れる。…これは、幻覚なのだろうか?

■勝利した
トドメを刺されたウェルテルは悲鳴をあげた。百合は萎え、羽は崩れ、肉体はホログラムとなって霧散していく。
ウェルテルの発していたあの電波は消え去り、これ以上の被害を防ぐ事が出来た。
しかし、ウェルテルに一度背中を押された人々の気持ちを再び変える事は容易ではないだろう。
キミたちは駆け付けた他のヒーローたちの力も借りて人々のケアにあたる。
一度誘発されてしまったものをどこまで和らげる事ができるかはわからない、しかしバグズ(はたまた他のヒーロー)が言うのだ「なあにきっと立ち直れるさ、それまで手を貸すよ、それが僕たちの役目だからさ」
決戦フェイズは以上で終了となる。

■全滅した
『シンダ…、ヒーローガシンダ…シマウマ、シマウマがヨロコブ、ヨ…』
───キミたちはゼブラパーティーに盛大に弔われる事となるだろう。

■絶望したPCがいる場合
誰かがキミを呼ぶ。
それはウェルテルの声だ。
『コロセ…コロセ……、ソシテ、シネ』
──絶望したPCはこれ以降NPCとなる。

□余韻フェイズ

好きにやっていい。
何も思いつかない場合は例を用意したので参考にしても良い。

・PC①の場合
キミは病室を訪れている。病室にはあの時助けた女性がいた。
ウェルテルの件が片付き、自殺衝動はなくなったそうで今は心のケアをしながら入院をしているようだ。
彼女はキミに恥ずかしそうにこう言った。
「あの時、なんで助けたのなんて言ってごめんなさい…。私、貴方に酷い事を言ってしまった…」
「謝る前に、こう言うべきでした。…ありがとう、ヒーロー。…助けてくれて、ありがとう、ヒーロー!」

・PC②の場合
キミはバグズに呼ばれ、研究所を訪れた。
彼はすっかり元気になったようで新しい対ヴィラン用のメカ作りに精を出している。
「あの時、君がいてくれてよかった、本当に感謝しているんだ」
「ヒーローのあり方は君が教えてくれた、ありがとう!本当にありがとう!君は僕のヒーローだ!」

以上で余韻フェイズの例を終了する。


そして翌日、新聞やテレビでは次のようなニュースが取り上げられるのであった。
「サカマタ あのロックウェイブから脱獄か!?」
「ゼブラパーティーの終わらぬ祭囃子!!」
「コンピューターウイルス、ウェルテルについて徹底解析!!!」
「集団自殺未遂!原因はゼブラパーティー!?」

『月曜のウェルテル』END

■各PCは成長点(最大9点)を得る。

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2017-07-27 : DLHシナリオ :
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